ビリー・ブラッグは自ら率いた請願運動で、イギリスの刑務所の服役囚がスチール弦のギター使用を禁止されていたのを撤回させるのに成功している。
ビリーの呼び掛けに応じてレディオヘッドのフィル・セルウェイ、エルボーのガイ・ガーヴィー、ピンク・フロイドのデイヴ・ギルモア、そしてジョニー・マーらがイギリスの刑務所でのスチール弦ギター使用禁止条例の撤廃に賛同を表明していて、この動議に賛成していたイギリス議会のカーディフ西部代議員、ケヴィン・ブレナンも今回の快挙に次のように語っている。
「これはまさに常識が勝利したといえる結果ですし、数か月にわたってキャンペーンを繰り広げてきてイギリス政府が聞き入れたことをとても喜んでいます。服役囚のリハビリテーションに音楽の力が有効だということはこれまでよく記録されていることです。わたしは服役囚の方々から、禁止令が発令されるまでは刑務所の労働で得るわずかばかりの賃金を貯めてはギターを購入して、ギターを学習することで服役囚のみなさんにとってどれだけセラピーに役立っていたかという陳情書を受け取って、それ以来、このキャンペーンに乗り出すことしたのです」
服役囚に楽器用の機材などの提供を行っているジェイル・ギター・ドアーズという団体を取りまとめているビリーは次のように語っている。
「個々の服役囚がスチール弦ギターを使えるということはリハビリをやってみようという動機づけとしてとても大きいもので、刑務所内の空気そのものもすっかり変えてしまうほどのものなんだよ。ギター絡みのプロジェクトだったせいでいったんペンディングになっていたけどこれからまた前に進められるものをぼくもいくつも抱えてて、刑務所で音楽を活用している人たちもこの大切な使命をようやく遂行できるようになるはずだよ」
ビリーやフィル、あるいは元ロングピッグスのリチャード・ホーリーらを含めた12名のミュージシャンは連名でザ・ガーディアン紙に書簡を公開し、「リハビリテーションの過程にある服役囚にとって音楽は大きな役割を担っている」と説き、ギターの使用を禁止されてしまうとこうした更生の機会を剥奪されてしまうと訴えていた。
(c) NME.COM / IPC Media 2014