「電気さんをみんなが楽しんでる声が楽屋まで届いて、『今日は出たくないなあ、お客さんでいたいなあ』って(笑)」(かしゆか)
2013年からPerfumeが行っている異色の対バンシリーズ「Perfume FES!!」、今回は幕張メッセ2Days開催、しかも1日目:「前夜祭」と銘打ったこの日のゲストは、日本のテクノ異端児から世界のマイスターへ進化を遂げた電気グルーヴ!
今年2月の出演者発表の時点から、数多の驚きと感激を巻き起こしていた今回の「Perfume FES!! 2017 〜前夜祭〜」。電気グルーヴにしか描き出せない極彩色の凄味と、テクノポップを起点として今や日本を代表するポップアイコンとなったPerfumeの電気へのリスペクトが弾ける、最高の熱狂空間がそこにはあった。
「それではみなさま、Perfumeのライブまでお楽しみください!」のピエール瀧のコールとともにビジョンに映し出されたグラフィックでは、3人の「大統領」が「Perfumeです!」のポーズをしてみせたり、電気のふたりも準備万端でこの場に臨んだことが窺える。
そのまま続けて『TROPICAL LOVE』から披露した“Fallin' Down”では石野卓球もDJブースから前面に飛び出して熱いクラップを呼び起こしてみせる。
“プエルトリコのひとりっ子”ではレコーディングにも参加していたトミタ栞がチャレンジャー(ゲスト)として登場、そこから『J-POP』収録のインストトラック“いちご娘”とのミックスバージョン“いちご娘はひとりっ子”に流れ込んで、幕張メッセの2万人をダンスと狂騒の坩堝へと叩き込んでいく。
“Missing Beatz”“Shameful”(『人間と動物』2013年)といった最近の楽曲から“新幹線”“FLASHBACK DISCO”まで幅広い年代の選曲はもちろん、「『レターパックで現金を送れ』は全部詐欺です!」「大事なことを言います! これは耳だぜ! これも耳だぜ!」といった卓球節全開のコールも曲中に連射。Perfumeのホームグラウンドでも変わらず電気ストロングスタイル(?)を貫いてみせたあたりに、卓球&瀧のポップの流儀が滲んでいたように思う。
卓球がスタンドマイクで歌った“N.O.”では、瀧の煽りに応えて会場一面のハンドウェーブが広がる。卓球ソロ曲“Love Domination”での「SEX!」連呼もラストの“UFOholic”も、電気は全曲ノンストップミックスで、メッセを濃密な歓喜と妖気で満たしていった。
この日のPerfumeの幕開けを飾ったのは“TOKYO GIRL”。EDMのマナーをとびきりクール&ポップなPerfumeアンセムに昇華したこの曲が、広大な空間をいきなり高揚の頂へと導いて、メッセをがっつり揺さぶってみせる。
立て続けに“I still love U”“FLASH”、さらにメインステージへ移動したところで「みんな! 最高の時間を過ごそうね!」というあ〜ちゃんのコールから、ハードなビートとともに“Magic of Love”へ突入! 3人の歌声と切れ味鋭いダンスが、オーディエンスの情熱をさらに刻一刻と高めていく。
中盤のMCでは、3人の電気グルーヴ初体験が2004年の『WIRE』(石野卓球オーガナイズのレイヴイベント)だったと語るあ〜ちゃん。「当時は曲の良さがわかってなかったからなんだけど、なんで盛り上がってるかマジでわかんなかったの。ステージ上ではおじさんがふざけるのね、セグウェイ乗ったりしとって。『なんじゃこりゃ!』って(笑)」と回想しつつ、「でも、その良さに気づいてからは今は大ファンになって。対バンが叶ったっていうのがほんと夢のよう!」と感慨を語るあ〜ちゃんに、高らかな拍手が広がる。
ちなみに、観客エリアを3分割して行う恒例のコール&レスポンス、今日の3グループは「セ」「グ」「ウェイ」、つまり「セグウェイ」。掛け声がメッセにこだまするたびに、とっくにレッドゾーン越えした歓喜がなおも昇り詰めていくのがわかる。
「P.T.A.」のコーナーでは、「Perfume FES!!」定番のコラボが残念ながらこの日は実現できなかった、とあ〜ちゃんが明かしながらも、「でも、うちらの電気さんへの想いは計り知れないんです!」(あ〜ちゃん)、「私なんて昨日の夜、電気グルーヴさんが夢に出てきました。瀧さんとキスをする夢!(笑)」(のっち)というトークの後に流れ始めた“Shangri-La”のトラックとともに、観客を《夢で KISS KISS KISS》のシンガロングへと誘ってみせる。
ステージから一度姿を消したあ〜ちゃん、のっちが誕生日プレゼントで贈ったというミニセグウェイで登場。会場がどっと沸き返ったのは言うまでもない。
「どうする? 何かやる、曲? 何がいい?」(あ〜ちゃん)と会場に呼び掛けたPerfumeが最後に響かせたのは、「チョコレイト?」「ディスコ!」のコール&レスポンスから“チョコレイト・ディスコ”! 「私たちはまだまだ諦めないで活動しますので! 電気のファンのみなさん、私たちをまた観に来てください!」と「次」への意欲を覗かせる3人を讃えるように、ひときわ高らかな歓声が鳴り渡っていた。
幕張2Daysの終了後、9/6・9/7に名古屋・愛知県体育館、9/13・9/14に大阪・大阪城ホールにてそれぞれ開催されることが追加発表された「Perfume FES!! 2017」。止まることを知らないPerfumeのチャレンジングスピリットがでっかく咲き乱れた、珠玉の一夜だった。(高橋智樹)
●セットリスト
・電気グルーヴ
1 人間大統領
2 Fallin’ Down
3 プエルトリコのひとりっ子
4 いちご娘はひとりっ子
5 Missing Beatz
6 Shameful
7 新幹線
8 FLASHBACK DISCO
9 Baby’s on Fire
10 N.O.
11 Love Domination
12 UFOholic
・Perfume
1 TOKYO GIRL
2 I still love U
3 FLASH
4 Magic of Love
5 いじわるなハロー
6 宝石の雨
7 GAME
8 エレクトロ・ワールド
9 Party Maker
10 Puppy love
アンコール チョコレイト・ディスコ
終演後ブログはこちら↓
【速報】Perfume、電気グルーヴと夢の競演!「Perfume FES!! 2017 ~前夜祭~」を観た
http://ro69.jp/blog/ro69plus/161653