LOW IQ 01が、これまで参加したカバー／トリビュートアルバムに収録した楽曲を、一枚にまとめたカバーアルバム。カバー／トリビュートアルバムって、一時期乱立している印象があったけれど、それでも興味を持って聴き続けられたのは、彼のようにクオリティの高いアレンジセンスを発揮してくれるアーティストがいたからだ。彼の場合は、カバーする対象のアーティストだけ、もしくはそのジャンルだけを徹底して突き詰めてアレンジするのではなく、様々な時代の、あらゆるジャンルの音楽を聴いて、点と点を繋げるようなアレンジをしている。それが、リスナーにとっては様々な音楽に出会うキッカケになったりする。実際、私自身も、今作にも収録されている、CUBISMO GRAFICO FIVE feat.LOW IQ 01による、ゴダイゴの“Beautiful Name”を聴いて、本家のゴダイゴも愛聴するようになった。邦楽も洋楽もジャンルも超えたカバーが収録されているけれど、そのルーツも、彼のオリジナル曲の多彩な魅力を思い出せば納得できるはず。知識とセンスと音楽愛が織りなす、絶品の味わいを召し上がれ。(高橋美穂)