リアム・ハウレット参加曲も

ペンデュラム『イマージョン』
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ALBUM
ペンデュラム イマージョン
前作を好きなら、期待を裏切られることはないだろう。2年ぶりの3作目は前作同様、タフなドラムン・ベースに、マッシブなヘヴィ・ロックの構成美が加わり、湿り気のある哀愁系歌メロが乗って目一杯加速したような、パワフルかつ下世話なポスト・プロディジー的ダンス・ロックを、一切の躊躇なく展開する。コンセプトはこれ以上ないほど明快、それを具現化するサウンド・プロダクションも徹底していて曖昧さがない。前作よりもメロディが前面に出て、大バコ向けのハッタリの効いた豪放なサウンド展開がさらに強調されて、実にわかりやすい即効性の刺激に満ちている。メロデスの帝王イン・フレイムスとの共演曲など、その好例だ。そのぶん味わいや奥行きや深みには欠けるが、やる側も聴く側も、そんなものは求めてないだろう。

フューチャリスティックというよりは懐かしい響きもあるシンセの音色といい、SF映画のサントラみたいな大仰なイントロに始まり、エイジアばりの80年代産業プログレっぽい曲で終わるアルバム構成といい、どこか垢抜けないいなたさがある。だがそのカッコつけきれないベタなセンスが彼らの魅力なんだろう。(小野島大)
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