ちょっと時間かかりましたが
ブラッド・レッド・シューズ『ファイアー・ライク・ディス』
2010年02月10日発売
2010年02月10日発売
ALBUM
男女デュオで、しかもメンバーは童顔の美少年と美少女。そんな構成のユニークさや見た目の麗しさ(と倒錯したセクシシュアリティ)の陰に隠れてきた印象もあるが、ブラッド・レッド・シューズはどこまでも硬派なロック・バンドだった。そのことが前作以上に明らかになっているセカンド・アルバムだ。ハードなツアーで基礎体力を高め、前作で培ったプロデューサー=マイク・クロッシーとの信頼関係を継続しつつ、サウンド面では前作にも増してストイックに音を組み立てている。ほぼギターとドラムのみ、しかもオーバーダブもほとんど行わず、たったふたつの音を極限までタイトに絞り上げているという印象で、だから不安定なはずの2ピースのはずなのに、どっしりと安定感のあるロックが鳴っているのだ。UKの市場に対するウケを考えるとちょっとヘヴィに寄っちゃったかなあという印象もあるが、これはライブがさらによくなっていそう。あ、このバンド、ぱっと見的にローラに目が行きがちですが、音の面でもパフォーマンスの面でも引っ張っているのはスティーヴンのほうです。前から巧かったけど、さらに巧くなっている。(小川智宏)