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ミセスのストーリーラインの極致のようなライブ「BABEL no TOH」が終わったあと、オーディエンスに配布された手紙の冒頭には「愛しのluluへ」という言葉が記されていた。年が明け、ミセスから突如届けられたフェーズ3初の新曲が“lulu.”だ。人懐っこくウォームな手触りがありつつも、壮大さと華やかさがある。大森元貴の歌声はまるで鼻歌のように軽やかだ。人は何かと出会い、何かを失って生きていく。大きな悲しみを経験することも当然あるだろう。ミセスはlulu=私たちに向けて、帰る場所=過去を糧にして、どう生きるかを深く優しく染み込ませるように提示する。
もはやその一挙手一投足が大森元貴による完璧なストーリーラインの一部に思える。音楽という表現の可能性を際限なく広げていくミセス。国民的な規模でそれをやってのける道程の根底には、音楽を信じる心と音楽への多大な敬意が脈々と流れている。(小松香里)
(『ROCKIN'ON JAPAN』2026年3月号より)
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