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ギター、ベース、ドラムが基調のロックサウンドは既に半世紀以上の歴史を重ねているので、最早新鮮さを生むなんて不可能なのかも……という諦念をぶっ飛ばしてくれるChevon。“銃電中”も刺激に満ち溢れている。怒涛の展開を輝かせ続けている各楽器パートの揺るぎなさ、スリリングなビートの乗りこなし、空中分解寸前のラインを攻める言葉の連続放射は、ヒップホップミュージックやボカロソングをロックと同等の「かっこいい音楽」として区別することなく聴いてきたからこそ育まれたのだと思う。浴びると自ずと身体が踊りたがる“銃電中”を危険な香りで彩っている谷絹茉優(Vo)の不敵な響きの歌声もかっこいい。印象的な一節《絶賛、逃げ出したい“キモチ”を充電充電中》が胸に鋭く突き刺さってくる。脳内に充満するネガティブな感情を自分を攻撃する内向きのエネルギーにするのではなく、ダンスや咆哮として開放してくれるのが音楽だ。鬱々とした気分に有効な抵抗手段としてこの曲をおすすめしておきたい。(田中大)(『ROCKIN'ON JAPAN』2025年1月号より抜粋)
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