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全シングル表題曲を集めた今作。シングル表題曲は、その時々のバンドの勝負曲なので、まさにメジャーデビュー20周年の歴史が刻まれた一枚である。注目すべきは、最新曲から過去曲へと遡っている曲順と、インディーズ時代に発表し、世界中で愛され続けている名曲“遥か彼方”の再録が収録されたことだ。そんな今作を彼らの音楽とともに生きてきた筆者は思い出とともに楽しめた。最近は“宿縁”に勇気をもらったし、“ソラニン”は大学時代に泣いた一曲。“リライト”は高校時代に大半の学生バンドがコピーしていたし、“君という花”は初めてギターでコピーした曲だったとか。初めて聴いたときにそのエモーショナルなサウンドと声に心が震えた“遥か彼方”の再録はあえて最後に聴いたのだが、またも心が震えた。そこで、彼らの楽曲はいつ聴いても色褪せることがないのだと再確認できた気がする。これからアジカンを知る人には、彼らがどのようにしてオリジナリティを生み出してきたのかを分析しながら楽しんでみてほしい。(岩田知大)(『ROCKIN'ON JAPAN』2024年9月号より抜粋)
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