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『We Are The Future』から3年ぶりのフルアルバムとなる今作は、前作と比べて飛躍的な進化を果たし、大きく変化していた。自己投影的だった歌詞が外側に向くようになっていたり、自由で伸び伸びとしたノリのサウンドの楽曲が加わったり、何よりも横山優也(Vo・G)の歌声が曲の中心になったことが大きな進化の主因であろう。横山が楽曲制作において影響を受けたくるり・岸田繁のプロデュースをきっかけに、メンバー全員がバンドのスタンスや音楽に対する考え方に変化があったという。結成10年というバンドのイメージが確立されつつある中で、自分たちの可能性を広げるために変化を受け入れる、真面目な彼ららしい成長だ。音楽やバンドに対する新たな視点を手に入れ、メンバー各々がお互いの感性を尊重し合いながら楽曲を作れたことが、今作のセルフタイトルに自然と繋がったのであろう。どんな曲でも、この4人が歌えばそれがKOTORIのロックになるという域に達している。(伊五澤紗花)
(『ROCKIN'ON JAPAN』2024年7月号より抜粋)
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