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Novelbrightがよく使う言葉に「可能性」がある。新作『CIRCUS』は、その「可能性」が形を持って躍動するような作品。“Mission”ではダイナミックな16ビートと破壊的なギターリフを率いる竹中雄大(Vo)の歌が血路を開くように響き、“雪の音”では冬の情景を切ないピアノとともに届け、“Empire feat. Novel Core”では攻撃的な打ち込みトラックに乗せてネットに飛び交うヘイトに反撃の狼煙を上げ――「生楽器」「打ち込み」「ロック」「バラード」みたいなジャンル分けは彼らの自由さを前にしてもはや意味をなさない。曲の振り幅をさらに広げながら、全15曲にバンドの芯が確かに貫かれていて、5人と同じ景色を見ていればもっと広い世界が待っていると信じさせてくれる。終曲“ODYSSEY”に刻まれた《勝算なんて僕とお前が出会う時点で/100%に決まっているその先を⾏こう》というラインは、バンドの物語を体現しながら、彼らを信じてともに歩く僕らの「可能性」までも広げてくれるメッセージとして輝いている。(畑雄介)(『ROCKIN'ON JAPAN』2024年5月号より抜粋)
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