彼の楽曲の特色のひとつである自由度の高いサウンドメイクは今作でより磨きがかけられており、バンドサウンドで幕を開けたかと思いきや大胆に音の隙間を用いたプログラミングに様変わりする“Vanilla”はそれを明確に体現している。ジャンルの境目が曖昧な音像は、様々な矛盾や感情を抱え、移ろいながら時間を重ねていく人間という存在が放つ「揺らぎ」との親和性も高い。各曲に嘘偽りなく宿る、今も手のなかに残る思い出、いつか思い出になるであろう悲しい現在、会えなくなったあなたなど、大切なものへの愛情――繊細な言葉と音色たちが、聴き手の心の奥に潜む言葉にしにくい感情を導き出してくれる。(沖さやこ)
「思い出」を仰ぐ
須田景凪『Billow』
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ALBUM
彼の楽曲の特色のひとつである自由度の高いサウンドメイクは今作でより磨きがかけられており、バンドサウンドで幕を開けたかと思いきや大胆に音の隙間を用いたプログラミングに様変わりする“Vanilla”はそれを明確に体現している。ジャンルの境目が曖昧な音像は、様々な矛盾や感情を抱え、移ろいながら時間を重ねていく人間という存在が放つ「揺らぎ」との親和性も高い。各曲に嘘偽りなく宿る、今も手のなかに残る思い出、いつか思い出になるであろう悲しい現在、会えなくなったあなたなど、大切なものへの愛情――繊細な言葉と音色たちが、聴き手の心の奥に潜む言葉にしにくい感情を導き出してくれる。(沖さやこ)