ボン・イヴェールことジャスティン・ヴァーノンも褒めているそうだし、前作に引き続きジャガ・ジャジストを手掛けたK・C・ヴェルトゥルハイムがプロデュースを担当していたりするので、それなりの期待を持って聴いた。ただ、世界デビュー・アルバムとなった前作『サイレント・トリートメント』は、いかにもな大自然賛歌風トラックにのせて、イングリッド・ヘレネ・ホヴィックの声量がある清涼(韻を踏んでみました)系ヴォーカルが歌い上げる作風プラス、曲名は“ヒロシマ”や“イラン”、そこに並べて“ダース・ヴェイダー”とか、あまりに分かり易すぎる感じが正直ちょっと苦手だった。
この新作も、タイトルからしてグアンタナモ湾収容キャンプのひとつからとっているし、最終曲は“チェルノブイリ”、それに並べて“サムライ・ソーズ”とか。本人たちは真正面から超マジメにやっているのが伝わってくるだけに、一瞬どうしようかという気持ちになったりしつつ、それでも、エレクトロニック色を増したサウンド・プロダクションは、なかなか聴き応えがあると思う。でも、やはりアノーニの新作を聴いてしまった後ではね……。(鈴木喜之)
ついヒガーサキテと読んじゃう
ハイアズアカイト『キャンプ・エコ』
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