女の子たちが世界を変える

Dizzy Sunfist『Dizzy Beats』
発売中
ALBUM
Dizzy Sunfist Dizzy Beats
Dizzy Sunfistの新譜を聴いた時、私の頭をある言葉が駆け巡った。それは何年か前の紅白歌合戦、椎名林檎が言ったこんなセリフ。「活気のある国は、決まって女が元気と聞きます。こんなときこそ大和撫子紅組、凛と参りましょう。」。今作に溢れ出る、女子特有の、笑っちゃうくらい全力なヴァイタリティは、確かにパンクロックシーンに大きな活力を与えてくれるに違いない。そう思ったのだ。

あやぺた(Vo・G/♀)、いやま(Vo・B/♀)、もあい(Dr・Cho/♂)による大阪発のスリーピース。1stフルアルバムである今作は、1分でその明るいキャラクターが伝わる“We Can!!”から、サンバ風のリズムにほんの少し切ないメロディが映える“Tonight.Tonight.Tonight”まで13曲、歌えて踊れる、痛快なパンクチューンが並ぶ。この突き抜けた陽性のメロディはそれだけでも輝きを放っているが、女子だからって一切手加減しない、男勝りで負けん気の強いDizzyの音楽には、燻っている人々の胸に「いっちょやったるか!」と火を点けてくれる力がある。シーンの未来は明るい。そんな風に思える快作だ。(安田季那子)
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