またも証明されるポップの正しさ

スモールプールズ『ラヴタップ!』
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ALBUM
スモールプールズ ラヴタップ!
これはもう絶対サマソニでしょう!と握りこぶしを作りたくなるような、サマソニの高感度かつ開かれたオーディエンスにあっという間に浸透していく様が今から想像できる新人のデビュー・アルバムである。LAを拠点に活動を続けるこのスモールプールズのサウンドは、身も蓋もなく言えばフォスター・ザ・ピープルやパッション・ピットの直系中の直系なシンセ・ポップであり、一瞬の余白もなく畳み掛けてくる過剰なポップネスはザ・ロイヤル・コンセプトを彷彿とさせ、奇妙に捻くれそうで捻くれすぎない疑似ニューウェイヴなメロディ・センスはオーケー・ゴーに近いものもある。ここまで条件が揃うと流石にあざとく感じそうなものだが、これは恐らくインディ・スノッブ連があざといとか言っている間もなく不特定多数の圧倒的支持を得て正しさが証明されてしまうタイプだと思う。かつてのTHE 1975がそうだったように。最初は大っ嫌いだったカラオケにハマって人生を楽しむ術を知り、“カラオケ”なるナンバーを書いたというエピソードにも、このバンドのしたたかさと言うか、名を捨てて実を取る超実践的ポップ精神を垣間見る思いだ。(粉川しの)
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