「長い終わり」が終わるとき

SEKAI NO OWARI『Tree』
2015年01月14日発売
ALBUM
SEKAI NO OWARI Tree
「ファンタジー」はSEKAI NO OWARIを語る上でのキーワードだ。しかし知っての通り、彼らのファンタジーは少しも甘くない。むしろ痛くて苦い。それはSEKAI NO OWARIにとってのファンタジーが、現実から逃避するためのものではなく、現実を戦って生き抜くためのものだからだ。世界を暴いて、そのかたちを明らかにして、攻略する方法を見つけ出すためのものだからだ。ロールプレイングゲームのように、新しい武器を手に入れ、いろいろなモンスターと戦いながら、彼らは自分たちが信じられる世界を自分たちの手で作り上げてきた。「TOKYO FANTASY」はその集大成といえるものだった。そこにはファンタジーが現実と対等にせめぎ合う、もうひとつの世界があった。

最近の彼らにとって重要なモチーフである「木」をタイトルに据えた本作は、その延長線上にある、勇敢で頼もしいアルバムだ。「戦いの休止」を告げる“Dragon Night”が結論のように鳴り響くとき、僕たちはそこに終わったはずの世界が明るく開けていくのを見る。正直言ってこれを受け取るみんなが羨ましい。僕もセカオワと、「あの頃」に出会いたかった。(小川智宏)
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