11月に約5年ぶりのソロ来日を果たしたトム・ヨーク。ソロとしての単独ツアーはトムと日本の30年に及ぶ歴史上で初めてのことで、東京と大阪はもちろんのこと、福岡、広島、愛知、京都と、2週間をかけて各地を細かく回るロングツアーとなった。レディオヘッドとしてはありえない2000人クラスの小規模会場も多く、ソロらしいインティメットな雰囲気が存分に味わえる贅沢なステージが連日繰り広げられたわけだが、「トム・ヨーク エヴリシング・プレイング・ワーク・ソロ・フロム・アクロス・ヒズ・キャリア」と題された今回のツアーは、単にこじんまりした近さが売りだったわけではない。今のトムが全キャリアを、まさに彼の全て(everything)をたった一人で完璧に表現した時、そこで感じたのは近さと言うよりも、彼の内宇宙の一部にオーディエンスも取り込まれていくような、調和と一体感だったからだ。
ロッキング・オン最新号では、そんなトム・ヨークのソロツアー東京初日、立川ステージガーデンのライブを徹底レポート。ギターにピアノ、ベースにリズムボックスと次々に持ち替えながら、ソロ曲からレディオヘッド、ザ・スマイル、サントラ曲まで、縦横無尽に弾き歌い続けたトムの圧巻のステージを、そこに宿っていた驚くほどの余裕、そして彼の自己肯定感のようなものを紐解いていきます。ぜひお楽しみに。(粉川しの)
トム・ヨークの記事が掲載されるロッキング・オン1月号