2020年、年明け早々の来日ラッシュ! 「ロッキング・オンが選ぶ見逃せないライブ10選」
2020.01.02 11:30
ライブ大当たり年となった2019年だが、それを上回る年になるのではと予感させるラインナップが揃う2020年の年明け。
1月から3月にかけての注目どころをピックアップしてみただけでもテンションが一気に高まってしまうが、世の中的にはオリンピックでとんでもない年になることが決まっているだけに、ここはミュージック・サイドからも、ライブの熱波を送り、選手のサポートといきたい。
1.クイーン
まずドカーンと新年を祝うのが、クイーン+アダム・ランバートで、昨年はグラミー賞のオープニングでこれ以上はない“We Will Rock You”、“We Are the Champions”をスペシャル・パフォーマンスし、2年ぶりに北米公演へと突入している。
その勢いそのままに、14年のサマーソニック、ヘッドライナー公演以来の来日が実現。北米のセットリストを見ると“Now I'm Here”に始まり、聴きたいクイーン・ナンバーがずらりと並ぶ。映画とは違う本物のクイーン・ライブに泣くしかない。
2. ボン・イヴェール
なんと4年ぶりの来日となるのがボン・イヴェール。もっともその間の活動は精力的で、テキサスに広大なスタジオを作ったり交友を広げ、その成果が3年ぶりの新作『アイ、アイ』には詰まっていた。
ジェイムス・ブレイクやブルース・ホーンズビーをはじめ多くのミュージシャンたちが参加したアルバムからは、彼が求める人と人とのコラボレートの魅力や強さが伝わってくるものだったが、それを目の前でリアルに示してくれるパフォーマンスになること間違いなし。
3. インヘイラー
いまだに興奮の醒めやらない人も少なくないU2公演だったが、余韻を別な意味で膨らませてくれそうなのがボノの息子、イライジャが中心となったインヘイラーだ。
16年の結成以来、ノエル・ギャラガーのツアーに起用されたりと着実に力をつけてきており、BBCの新年にブレイクが期待のアーティストをピックアップした「BBC Sound Of 2020」にも選ばれ注目度は高まっているが、その真価をいち早く確認できるのがこのステージだ。
4. ピクシーズ
鉄板のクオリティを常に約束してくれるのがピクシーズのライブ・パフォーマンス。
ブラック・フランシスのぶち切れたボーカルとグランジ+オルタナのエッセンスをこれでもかと盛り込んだバンド・アンサンブルの魅力は、今もまったく薄れることはなく、3年ぶりのアルバム『ビニース・ジ・エリー』で聴かせた快調ぶりからすると、さらに燃えさかるはず。
5. フォールズ
19年は『エヴリシング・ノット・セイヴド・ウィル・ビィ・ロスト』のパート1、2がすごすぎたフォールズ。単独公演としてはなんと6年ぶりのライブが3月に実現する。
19年サマーソニックで圧巻のステージを体験した人も多いだろうが、その熱の延長での単独ライブは嬉しすぎだし、海外大型フェスのヘッドライナーを務める連中を、このサイズの会場で観られるのは超貴重。
6.ニュー・オーダー
マンチェスターの今日を導いたレジェンド、ニュー・オーダーの5年ぶりとなるステージは、脱退したピーター・フックとの長かったゴタゴタもなんとか落ち着き、久しぶりにすっきりとあのメランコリックなエレクトロ・サウンドに身を浸すことができるはず。
しかも最近は、かつてのこだわりを捨てジョイ・ディヴィジョンの名曲たちも積極的にどんどんプレイしているのだから絶対に見逃すことはできない。
7. ヤングブラッド
この春の来日ラインナップの中で、予想以上のホームランを予感させるのが、まだ20歳のドミニク・ハドソンのプロジェクト、ヤングブラッドだろう。
ビートルズやボブ・ディランの影響を感じさせながら、リンキンパークを始めミクスチャー・ロックの激しいサウンドのエッセンスをステージで繰り広げるが、どこまで飛んでいくのか本人すらわからない爆発力を一夜かぎりのステージで見せてくれるはずだ。
8. ステレオラブ
今回のラインナップで一番びっくりなのがステレオラブ。19年になって旧作品のリマスター発売、約10年ぶりとなる怒濤のライブ・スケジュールをこなし、世界各地のフェスで大歓迎を受け、その熱を約11年ぶりに日本に届けてくれる。
『エンペラー・トマト・ケチャップ』や『ミルキー・ナイト』に夢中になった人も多いだろうが、クラウト・ロックからラウンジ、ボサ・ノバ、ありとあらゆる音楽を俎上に乗せてきた彼らの万華鏡ライブ最新型は3月。
9. ザ・ナショナル
最新作『アイ・アム・イージー・トゥ・ファインド』は、マイク・ミルズ監督の撮った短編フィルムもあってザ・ナショナルのビビッド、かつ豊かに広がる世界を伝えてくれる傑作だった。
その美学をそっくりステージ上に広げて見せてくれるライブだが、日本公演はなんと9年ぶり。その間にチャート上位の常連になったりとアメリカや海外での人気は高まる一方だっただけに、期待は大きい。
10. グリーン・デイ
8年ぶりの来日公演となるグリーン・デイ。その間に起きたビリーの薬物、アルコール依存をはじめとしたさまざまな問題はグループの活動をスローダウンはさせたが、しかしそんなことで終わるバンドじゃない。
2月には3年ぶりのアルバム『ファザー・オブ・オール…』のリリースが決まっており、そこでは少しも衰えることのないビートが鳴り響いているはず。「グリーン・デイは裏切らない」、それを改めて、つくづくと思い知らされるパフォーマンスになることは確実だ。見逃せない。(大鷹俊一)