アトムス・フォー・ピースを観た

アトムス・フォー・ピースを観た

ロックをコンピューターのビートに変換してアップデートしたレディオヘッド、コンピューターのビートをバンドに変換して肉体化したアトムス・フォー・ピース。
トム・ヨークという一人のアーティストのヴィジョンが、あっという間にこれだけロックを進化させてしまったのはやっぱり凄いことだ。
そして、トム・ヨーク自身がステージの上でこれまでにないほど解放されているのは感動的だった。音楽のイノベーションは人を解放して幸福にするということを、15年前のレディオヘッドのトム・ヨークからは信じられない解放された動きで踊りまくる今日のトム・ヨークの姿ほど物語るものはなかった。本当に気持ちよさそうだった。そしてフロアの僕らも同じように最高に気持ちよかった。

アンコールの"Atoms for Peace"の時に、トムは客に手拍子を促した。トム・ヨークが手拍子を促すなんてことは、間違いなくこれまで一度もなかっただろう。しかも、よりによって複雑なビートの"Atoms〜"で、である。ところが、トムに促された客のゆっくりした単純な2拍子の手拍子は、あの複雑なビートに見事に絡み合い、曲のグルーヴをさらに立体化させたのだ。アトムス・フォー・ピースの音楽がいかに肉体に根ざしたものかを体験学習させてくれてるようだった。
それにしてもトム・ヨーク、やたらセクシーな男になってたな。
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