ストロークスはロックンロールバンドではなく、ロックンロールをポップアートとして提示する、アートロックのバンドだ。
とはいっても、きっとどこかの時点で彼らはロックンロールバンドになって、いつか自然にロックシーンに溶け込んでその中に位置づけられるのだろうと思っていた。でも全くそうではなかった。
ストロークスは、ロックンロール音楽をポップアートとして提示するアートロックバンドであることを貫いている。ロックシーンに溶け込みもしなかったし、その中に位置付けられてもいない。そこにはいないのだ。
ロックフェスであるフジロックのメインステージのトリとして出演したストロークスはだからこそかっこよかった。
デビュー当時から変わらない、デザイン的なアンサンブルと、いくら声を張り上げても感情が燃えないヴォーカル。曲は、成長もせず円熟にも至らず、スケール感と品格だけがアップしていた。ロックとは別物のかっこよさ。そして5人は「アーティスト」だった。
ストロークスのフジロック・ヘッドライナーは、記念すべき出来事だったと思う。
ジュリアンの「暑いですね!」にはちょっと動揺した。(山崎洋一郎)
フジロックでストロークスを観た #フジロック
2023.07.28 23:11