J-POPシーンにはさまざまなお手頃なサイズのお手頃な住宅が並んでいてそれぞれ窓の位置が変わっていたり玄関の形が違っていたりして、さらにカーテンを付けたりドアに色を塗ったりして工夫がしてある。そんな中で米津玄師やKing Gnuの音楽は、普通の住宅5軒分ぐらいの土地に、他とは土台も構造もまったく違う建物が建ってるようなインパクトと存在感があって、それが音楽の面白いところだからみんな拍手を惜しまない。で、King Gnuの場合はちゃんと玄関がありキッチンもバスルームもあるんだけど、もはやmillennium paradeの場合は「玄関が塗り固められている」とか「キッチンが屋上にある、、、」とか「トイレどこにもない?」みたいなさらに面白いことになっていて、例えば今回の配信曲“Secret Ceremony”ではまず建物の真正面にハモンドオルガンの堅固な壁が立ちはだかり、ようやく入って廊下を彷徨ってたらリビングにすらたどり着かないままいきなり外に放り出される、という前代未聞の建物になってて相変わらずめちゃ面白い。
こういう音楽がもっともっと増えたら音楽シーンという街のランドスケープも変わるのにな、と夢想が羽ばたく最高の曲だと思う。(山崎洋一郎)
millennium paradeの最新配信曲“Secret Ceremony”、イントロからくそかっこいいオルガンの嵐なんですけど
2022.05.25 15:55