うつの再発でツアーを中止してから約1年後、コロナ禍の真っ只中で突然リリースされた6曲入りミニアルバム『Bored? Yeah, Me Too』は強力だった。
前作までのロックンロール回帰の作風とはまったく変わってブラスト、2ビートを鷲掴みにした最強のKen Bandサウンド。
『Bored? Yeah, Me Too』というタイトル通り、コロナ禍での停滞した空気に逆襲を食らわせるカウンターパンチだった。
そして、それは予告編に過ぎなかった(いや、それは言いすぎだな)。というか、ランチメニューだった(こっちのが近いな)。
そう気持ちよく言い切ってしまえる最高のフルアルバムがこの『4Wheels 9Lives』だ。
前作でその奔放な実力を見せつけた新ドラマー・えっくんのドライブが効いたビートが、まずサウンドのボルテージとスピード感を上げている。
そのうえでさらに一体感を増したKen Bandとしてのフォルムがどの曲もとにかくかっこいい。
曲のバリエーションという意味ではここ最近のアルバムの中では絞った感じかもしれないが、そんなことにしばらく気づかないぐらい、聴きながら乗りこなしてるだけで気分最高なアルバムなのだ。
そのあとに歌詞の訳詞を読んだら胸が熱くなるのはファンなら予想しうるところだろう。
この、前だけを見て全力疾走する感じはアルバム『Four』に近いかもしれない。
でも、そのうえで紛れもなく2021年の最新のKen Yokoyamaのアルバム、それが『4Wheels 9Lives』だ。
5月28日発売のロッキング・オン・ジャパンでロングインタビュー掲載します。(山崎洋一郎)
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コロナ禍を貫通する最強のアルバム、それはどうやってできたのか? Ken Yokoyamaにすべて聞く、ロングインタビューをやりました
2021.05.22 16:00