最近、個人的に一番聴いてるのが、ザ・ルーツのニュー・アルバム『アンダン』。
このアルバム、彼らにとって初のコンセプト・アルバムとなっている。「ルーツがコンセプト・アルバムを制作」とのニュースを聞いた時点で、それはもう間違いない作品ができるんだろうと信じていたが、予想通り素晴らしいものになった。犯罪に手を染め、最後には殺された一人の男の短い人生を、その「死」の瞬間から遡るというコンセプト。だからアルバムも、心音停止の警告音からスタートする。
そして、ネットに公開されているPVも素晴らしい。
http://www.youtube.com/watch?v=HEm5uM4g_vU
今までに公開されている4曲のクリップをつなぎ合わせたものだが、それぞれのPVをつなぎ合わせると、主人公の人生が流れとして浮き上がってくるという作り。
そして、クエストラブはこの物語の主人公を「犠牲者でもなければヒーローでもない」と語っている。
社会に対する問題提起の視点を失わず、現実に寄り添う悲劇としてこの物語は綴られている。実にルーツらしい。
ちなみにこの作品、メンバーは映画化を希望してるとか。
(塩澤)