この2バンドを1日で観る。なにやらタイムスリップした気分。まずは東京ドームで行なわれたイーグルス。開演時間は17時。
始まる時に場内が暗転したのだけど、日も随分と長くなったおかげで、ドームの白い屋根から光が漏れて真っ暗にならない。でも、この時間から始まるのには理由があって、なにせ全部で3時間のライヴ。やってほしい曲はすべてやってくれる。ハーモニーも完璧。あの曲を始めのほうでやって、あの曲を一番最後でやる。個人的には、最新作『ロング・ロード・アウト・オブ・エデン』の必然性がまざまざと示されたのがよかった。当然、名曲が腐るほどある人たちなわけだが、それは古き良きアメリカ、言ってみれば保守的なアメリカのイメージと交錯するものであって、非常に危ういものでもあるわけだけれど、最新作の曲でドン・ヘンリーがしっかりとそれとは違うメッセージを歌っていた。どうしても分かりやすいヒット曲メドレーになってしまう彼らのライヴだけれど、そこに意地を感じた。
続いて、21時からはヤードバーズ@ビルボード東京。
ヤードバーズは言ってみれば過渡期のバンドであって、ブリティッシュ・ビートとその後のロックの交差点に位置したバンドだっただけに、クラプトン、ジェフ・ベック、ジミー・ペイジなんていう、あれだけのギタリストを排出したし、逆に言えば全員脱退してしまうわけだが、その歴史として知っていた事実を、今回の初来日公演(!)ではまさに目の前で観ることができた。そう、あのヤードバーズならではのグルーヴなのだ。なんとオリジナル・メンバーはクリス・ドレヤとジム・マッカーティーだけにもかかわらず“デイズド&コンフューズド”までやるのだが、ツェッペリンとはまったく違うものでありながら、一方でその一歩手前というか、きっとそのプロトタイプのプロトタイプぐらいまでは見えていたんだろうなあという体温が伝わってくるものだったりもした。ヴォーカルとギターとベースは若いメンバーで、ギターに至ってはライトハンド奏法っぽいことまでしていて、時代考証的にどうなのよ?と思った部分もなくはないのだが、あのグルーヴは確かにヤードバーズだよねえ、と思わされるものだった。というわけで、60年代と70年代にそれぞれジャンプするような1日だったのだけど、その前のロック講座では最新の楽曲ばかりかけた。来てくれた方、ありがとうございました。(古川)