現在発売中のロッキング・オン1月号では、ペット・ショップ・ボーイズのインタビューを掲載しています。
以下、本記事の抜粋部分より。
「妙なもんだけど、かつて音楽につきものだった年齢差別主義がなくなってるんだよね。若い子たちが親のレコードを聴いてるんだよ。家の中に転がってるやつをどれでも、選り取り見取りでさ」
『ナンザレス』は彼らのパーロフォンでの前作、美しくも哀愁を帯びた『エリシオン 〜理想郷〜』からは著しい発展を遂げた作品と言える。『エリシオン〜』は年取った男性として、またミュージシャンとして、社会的に顧みられることのない透明な存在になっていくことに対する挫折感を漂わせた楽曲のコレクションで、またテナントの両親が亡くなった直後に作られたアルバムでもあった。2022年、PSBはパレスのファッションに身を包み、現在90歳のジョーン・コリンズと並んで広告に出た。また、89歳のマギー・スミスを起用したロエベの広告は先頃大きな話題を集めていた。今年65歳のマドンナは、もはや年齢へのバッシングを受けることはなく、勝ち誇ったように『ザ・セレブレーション・ツアー』を敢行している。この10年の間に、年齢を重ねた人々に対するアティテュードは変わってきたのだろうか?
「妙なもんだけど、かつて音楽につきものだった年齢差別主義がなくなってるんだよね」、テナントは言う。ちょうど様々な種類のチョコレートケーキが届いたところで、2人はびっくりするような量のケーキくずを作り出していた。「若い子たちが親のレコードを聴いてるんだよ。家の中に転がってるやつをどれでも、より取り見取りでさ」。彼はYouTubeの貢献を一番に挙げる。「1967年に『トップ・オブ・ザ・ポップス』で“ストロベリー・フィールズ・フォーエバー”を観た素敵な思い出があっても、当時はまた観たいと思ったって観る手段はなかったんだよね。だけど今はそれを観ることができる。つまり、それから何かが起こったわけさ。全てが同時に存在できるようになったんだ」
彼はひとつのセオリーを提示する。「僕が思うに、ポップスターたちは僕らがかつて、年取ったブルーズミュージシャンにしかできないと思っていたようなことを成し遂げるようになった——“本物”になると言うか、不朽の地位を手に入れるってことだね……大衆がそうすることを容認しているんだ。ノスタルジアと呼んでも構わないけど、僕はそれはオーセンティックなムーブメントが再び作り出されるところに立ち会いたいという欲求だと思う。年を取ることがもう問題視されなくなっている背景には、音楽は少しも老いている感じがしないってことがあるんじゃないかな」
ペット・ショップ・ボーイズの記事の続きは、現在発売中の『ロッキング・オン』1月号に掲載中です。ご購入はお近くの書店または以下のリンク先より。
Instagramはじめました!フォロー&いいね、お待ちしております。