【今月の気になるあいつ】ケン・カーソン
2000年生まれ、US:アトランタ出身。同郷であるZ世代代表ラッパー、プレイボーイ・カーティが設立したレーベル:オピウムの第1弾アーティスト。サード『A Great Chaos』にてラップシーンのフロントラインに立ち、2025年4月リリースの最新アルバム『More?Chaos』で、ついにUSビルボード・チャート200を制覇。同年7月からは最新作を引っさげた「The Lord Of Chaos Tour」を敢行中。今もっとも、激しく混沌を乗りこなす最新系スターラッパー。現在発売中のロッキング・オン9月号では、「気になるあいつ」にてケン・カーソンを掲載しています。本記事の一部をご紹介。
今年4月、25歳の誕生日にリリースした4枚目のアルバム『More?Chaos』が、全米初登場1位を獲得したケン・カーソン。ヒップホップシーンで着実に評価と影響力を高めてきた稀代のラッパーである彼が、いよいよ商業的にもブレイクしたことは大きなニュースだ。彼がどのようにして今の地位にのぼりつめたのか、どのような革新を果たしてきたのか、この機会に振り返ってみよう。
まずケン・カーソンを語るには、2020年代最高のラッパーのひとりであるプレイボーイ・カーティとの関係を避けては通れない。アトランタ出身のケン・カーソンは、実力派音楽プロダクションチームである808マフィアに参加し、音源リリースを重ねていた。そこでカーティに実力を見出されたことで、2019年に彼が設立したレーベル「オピウム」から第1弾となる作品を出すことになったのだ。そういった背景からも、いかにカーティがケン・カーソンの才能に惚れているかが分かるだろう。実際、音楽性も、ふたりは近いところに位置している。
カーティといえば、ヒップホップのサブジャンル「レイジ」の原型を作った存在で、2020年にリリースした『Whole Lotta Red』はノイジーなEDM由来のシンセとミニマルなビートを軸に、ラップというよりも叫びに近いボーカルスタイルでシーンに衝撃を与えた。他にも、リリックより語感を重視する短いフレーズの反復フロウ、太く攻撃的な808ベースなど、刹那的で暴力的なスタイルがZ世代を中心に“レイジ”と呼ばれはじめ、TikTokやSoundCloudで急速に拡散されていく。(以下、本誌記事へ続く)
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