イエスが9月に4都市6公演のジャパンツアーを行う。彼らはちょうど2年前にも来日しているのだが、今回も絶対にスルーできない5つの理由がある。
その1:まず、セットリスト全体が究極。『The Classic Tales Of Yes』と題された今回のツアーは、既に全米&全欧で敢行され大喝采を浴びている。デビュー55周年タイミングとはいえ、これでもかという大盤振る舞いで、2年前と被るのはわずか2~3曲だ。
その2:最大の注目は、計4曲80分超えという掟破りの超大作『海洋地形学の物語』(73年)の濃縮バージョン。同作はリリース時、あまりの重厚長大さに評価が分かれたが、近年は再評価がめざましい。中には「イエスの真の到達点は『危機』(72年)ではなく『海洋~』だ」と断言するジャーナリストさえいる。そんな傑作を御大スティーヴ・ハウ自らエディットした濃縮バージョンって……いったいどんな歓喜が待ち受けているのだろう?
その3:最新作『ミラー・トゥ・ザ・スカイ』を堪能できること。前作で現在のスタイルを確立した新生イエスは、今作で70年代に匹敵する変幻自在なアンサンブルを展開するなど一段とスケールアップした。この傑作から何がパフォーマンスされるのかも注目だ。
その4:超レア曲が満載。“マシーン・メシア”や“究極”など、長いイエス史の陰に隠れていた名曲群に光が当てられる。そして“アメリカ”! このサイモン&ガーファンクルの名曲カバーは、独創のアレンジとアンサンブルによってイエスのオリジナルと言えるほどで熱烈なファンも多い。これを堪能できるのは、まさに一期一会の好機だ。
その5:新生イエスの成熟ぶり。ビリー・シャーウッド(B)はクリス・スクワイアから、ジェイ・シェレン(Dr)はアラン・ホワイトから直々にバトンを託され、ジョン・デイヴィソン(Vo)はジョン・アンダーソンのスタイルを継承しながらバンドの顔になった。イエスというスーパーアイコンのDNAは最高に美しく継承され、最高のルネッサンスを果たした。その完成形を今回目撃できるのだ。
そして次号では、ハウ先生のインタビューが実現! 究極セトリを組んだ心境、そして彼らの現在地に迫ってみたい。(茂木信介)
イエスの記事は、現在発売中の『ロッキング・オン』8月号に掲載中です。ご購入はお近くの書店または以下のリンク先より。
Instagramはじめました!フォロー&いいね、お待ちしております。