本誌が皆さんの手元に届く頃、日本列島は歓喜の声に包まれていることだろう。2月4日に名古屋で開幕しているはずの全国4大ドームを巡るクイーン+アダム・ランバートのジャパンツアーは、早くもその佳境を迎えつつある頃だ。
この体制での日本上陸が初めて実現したのは、2014年夏のことだ。『サマーソニック』のヘッドライナーを務めた彼らは、この国におけるクイーン人気の根強さばかりではなく、その音楽の永遠性とでもいうべきものを改めて印象付けることになった。まさしく真夏の夜の夢のごときその瞬間からまもなく10年が経過しようとしている。しかも彼らはその過程においても進化を続け、奇跡のような出来事を起こし続けている。
2016年、2020年と機会を重ねられてきた来日公演での圧倒的ライブパフォーマンスの目撃者たちには改めて説明するまでもないが、彼らはこのバンドにしか引き起こすことのできないマジックをいっそうゴージャスに磨きあげ、誤解を恐れずに言うなら、オリジナルクイーンの継承という次元にとどまらない飛躍を遂げているのだ。
そうした時間の流れの狭間には、映画『ボヘミアン・ラプソディ』の空前の大ヒットに伴う再注目/再評価の動き、クイーンを知らない世代への新たな拡散/浸透といった、社会現象レベルでの気運の高まりもあれば、日常生活からエンターテインメントを奪い兼ねないパンデミックのような出来事もあった。
今にして思えば、2020年の来日公演が実施されたのは、コロナ禍という言葉を飽きるほど目と耳にするようになる直前のことだった。そして現在進行中のジャパンツアーは、さまざまな息苦しい制約から解き放たれた状態で、演者とオーディエンスがライブ空間を共有できる環境下でのもの。クイーンとの絆の確かさを実感しているファンのみならず、世界規模での大々的なツアーは今回が最後ではないかと噂されるバンド側にとっても、まさしくこれは待望の機会だったに違いない。
今回はブライアン・メイのロングインタビュー、海外公演レポート、クイーンの名曲群に関する再考に加え、このバンドに新たな可能性をもたらしたアダム・ランバートについても徹底解剖する。「クイーン+アダム・ランバート」という形では本誌初となる大特集を、隅から隅まで味わい尽くして欲しい。(増田勇一)
<コンテンツ紹介>
■ クイーン名曲を語り尽くしたブライアン・メイの最新インタビュー
■「ラプソディ・ツアー」最新レポート
■ クイーン至高の名曲ランキング20
■ アダム・ランバートの正体に迫る! 徹底解剖
クイーン+アダム・ランバートの来日記念特集は、現在発売中の『ロッキング・オン』3月号に掲載中です。ご購入はお近くの書店または以下のリンク先より。
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