「(チャーリーは)俺たちの音楽の中に、何かを聴き取ったんだと思う。
それに彼は冒険心を持っていた。『大海の中の一介のジャズ奏者になるか、もしくはこの狂った奴らとつるんでどうなるか見てみようか』というね」(キース)
コロナ禍で中断されていた『ノー・フィルター』ツアーのアメリカ公演を9月から再開させたザ・ローリング・ストーンズ。レコード・デビュー時からのドラマーだったチャーリー・ワッツが8月に病で他界してしまったため、キース・リチャーズのソロ活動の常連であったスティーヴ・ジョーダンが新しく加わったものとなっている。
バンドとしてはちょうど『刺青の男』40周年盤のリリースと重なっているため、今回新しく明らかになったアウトテイクや、名曲“19回目の神経衰弱”、新曲の“リヴィング・イン・ア・ゴースト・タウン”などを放り込んでの精力的なセットリストになっていて、ファンとしてはただただ聴いてみたいという一心だ。
今回はミック、キース、ロニーの最新インタビューとツアーのライブ・レポをお届けするが、ここから伝わってくるのは、やはり誰もがどこかおっかなびっくりな様子であることだ。それは無理もない。しかし、スティーヴはチャーリー直々の後継指名者なのだ。それにバンドも観客(ジャーナリスト)も応えようとしてしまう、そんなチャーリーの遺志のあまりの影響力に、やっぱりすごいバンドだとしみじみ思う。 (高見展)
ザ・ローリング・ストーンズの記事は、現在発売中の『ロッキング・オン』12月号に掲載中です。ご購入はお近くの書店または以下のリンク先より。