ツアーのニュースやセット・リストもぼちぼち届いているが、今週末はバンドの代表作にしてロック史における歴史的名盤とじっくり向き合いたい。
U2がアメリカという他者とどう向き合ったか? というのが今作のテーマでもあるのだが、今という時代にもう一度聞く意味は本当に大きいのだから。
ロッキング・オン最新号には、その制作過程をメンバーと、プロデューサーのブライアン・イーノ&ダニエル・ラノワが生々しく語った記事を掲載している。
1987年、アリゾナ州テンペの『ヨシュア・トゥリー』の最終公演で、
“プライド”の3番目のバース(マーティン・ルーサー・キング牧師の暗殺に直接触れた部分)を歌ったらボノを撃ち殺す、という殺害予告の脅迫状がとどいた時、ボノはどう行動したのか? そしてバンドは?
というシリアスなエピソードから、
ボノの、カウボーイ・ブーツへの懺悔まで、
ハラハラしながらも感動し、しかもツッコミどころも満載の物語は、読み始めたら止まらない。
アルバムのおともに、ぜひこの16ページのドキュメントも体験してほしい。すごい臨場感なのだから。(井上貴子)