チャイルディッシュ・ガンビーノが、この名義では”ラスト・アルバム”となる『Bando Stone & New World』を7月19日発売すると発表した。すでにその中から、シングルの”Lithonia”を公開。
こちら。
新作については、まだ謎な部分も多いのだけど、彼曰く、この作品は、彼が主演、監督の映画『The Bando Stone & the New World』のサントラとして発売と。映画の予告編もすでに公開されている。
それで、アメリカは独立記念日の休暇真っ只中に、たった687人のキャパで新作披露のイベントがあった。マンハッタンの西に面するハドソン川に突き出た”Little Island”という屋外の会場で開催。
信じられないことに、このチケットが買えたのだ。しかもたった25ドル。写真も映像も撮影して良いことになっていたので、以下速報。
新作リスニングであること以外は何なのかいまいち分からないままだったのだけど、結果的には、ライブバンドはいなかったものの、彼が音源を流しながら、曲について語り、パフォーマンスし、スティーヴ・レイシーとFousheéが出演し、コラボする場面まであった。
最初に、「アルバムを曲順にかけるわけではなくて、感じたままにかけてみる」と説明された。それに、アルバムが全曲披露されたわけでもないと思う。
ただ、大事なのは、これがチャイルディッシュ・ガンビーノとして最後のアルバムになるので、自分のファンが聴きたいと思うものは全て網羅する、と言っていたこと(涙)。さらに、多くの曲をパンデミックの最中に作ったと言っていた。それは作品に大きく関係しているはず。また、以前の発言では、ポジティブなものを発したいとも言っていた。
以下概要。
1)この日披露されたのは、15曲。そのうち1曲はインストで、映画のサントラ。
この15曲の印象から言うと、上にも書いたことを実行するかのように、チャイルディッシュ・ガンビーノのキャリア全体を総括するような様々なスタイルの曲が収録。しかも、さらにその上をいく作品になっている。初期の頃のヒップホップもあり、R&Bもあり、テクノあり、ダブステップ、ロックアンセムもあり、テクノもあった。《Yoshinoya》とラップする曲もあった。ビリー・アイリッシュがラップされている曲もあって、ビリーは天にも昇る気分かもしれない。
2)コラボレーターも多い。この日分かっただけでも、
スティーヴ・レイシー
カマシ・ワシントン
クロイ・ベイリー
イート
ジョルジャ・スミス
アマラエ
そして、彼の映画にも出ている息子さんが参加した曲もある。
この日目立ったのは、”Crusin”が超ドラマチックだったのと、息子さんが参加した”Can You Feel Me?”があまりに美しかったこと。”Talk My Shit”ではビリー・アイリッシュがラップされていて、”Place Where Love Goes” はエモい、アンセミックな曲だった。またファーストシングルはすでに大合唱だった。
3)披露された曲 (*以下タイトルなど間違っている可能性もあります。その場合はすいません)
1. ”How I Feel” (アマラエ参加。映画の予告編にもある子供の声で《僕たち死ぬの?》というセリフが聞こえた。「パンデミック中に作った曲で、その時ジャマイカでどのようにダブをやっていたのかを読んでそれに影響されて作った曲」)
2. ”Survive”(クロイ・ベイリー、カマシ・ワシントンが参加)
3.“Steph's Beach” (スティーヴ・レイシー、Fousheéが参加)
4. "In the Night" (ジョルジャ・スミス、アマラエが参加。「この曲はずっと前に作ったんだけど、彼女(ジョルジャ)は、赤ちゃんを産んだから、残りの部分は、2日前にできたばかりなんだ」)
5.“Can You Feel Me?” (息子さんのLegendが参加。「息子と一緒に作ったらスペシャルな曲。セサミストリート的な。息子には、すごく感動したんだけど、ジョー・ジャクソンみたいな感じで、『しっかりやって。俺に恥ずかしい思いをさせるな!』って言ったんだ(笑)。冗談だよ。素晴らしいと思った」)
6.”Talk My Shit” (Flo Milli参加。当初4曲目に演奏したのだけど、サブスピーカーが使えなくて、直ってから再度演奏。映画の中の《使えない》というセリフが聞こえる。ビリー・アイリッシュが歌詞の中に出てくる。「ぶっ飛ぶと思うよ」と紹介)
7. “Yoshinoya” 「みんながラップの曲をやってくれ、って言うから、ラップの曲を作った」と言ってやった曲が”Yoshinoya"だった)
8.”Jungle Music”
9.“No Excuses” (カマシ・ワシントン参加「ここでクールダウン。リラックスした曲だから、吸いたい人、トイレに行きたい人はこの曲がチャンスだよ」)
10.”Crusin” (イート参加。「昔リークした曲で、2014年くらいに書き始めた。ドラマチックな曲になった。自分は未来はすごくカラフルで美しいと思っていたんだけど、トロピカルでね。イートは、未来は冷たくとダークだと言って、すごく違う意見だね(笑)、となったんだけど。でもすごく助けられたんだ」)
11 .“Runnin’ Around”(ジェシカ・アラン、Fousheéが参加)
12.”Got to Be”(「テンションがある曲とメローな曲どっちがいい?」と聞いて、観客からの反応で「テンションがある曲」を選んでかけた)
13.“Happy Survival” (Khruangbinがカバー。映画のサントラとして。「Khruangbin知ってる? この曲は、オリジナルも大好きな曲で超かっこいいから聴いて欲しいけど。今回Khruangbin に、映画を作っていて、モンタージュがあるからそこで使いたいと言って、カバーしてもらったんだ」)
これがEddie Okwedyのオリジナル
14.“Place Where Love Goes” (「テンションがあるけど、90年代的サウンド。このアルバムの多くの曲はコロナの最中にできたもので、だからみんなが集まったように感じられる曲を作りたかった。アンセミックな曲を作っている人達に影響されて、この曲はとりわけアンセミックになったと思う」)
15. ”Lithonia” (すでに合唱だった)
映画は、いつ公開なんだろうか? もう削除されているけど、一度IMAXで公開とインスタに投稿されていたような? 新作がサントラなら、そう遠くない時期に公開なはず。
世界ツアーも発表されている。
会場では、インスタやポラロイドとコラボした巨大自動販売機があった。3台中2台は壊れていたけど(笑)。ソニーのハイテク掲示板もあって、そこにすでに売られているグッズと一緒に、ソニーのウォークマンの写真があったのだ。もしかしたら、これから出るのでは?! 色々仕掛けているような気がするので、それも合わせて楽しみだ。まずは来週発売の新作は必聴。
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