すでにご存知の方も多いと思うけど、TV局で放送されたグリーン・デイの年越しパフォーマンスが炎上した。イーロン・マスクまで皮肉を言うような事態があったのだけど、この週末にグリーン・デイがマスクに反論した。
知らない方のためにその経緯を簡単に説明すると。
アメリカの民放局ABCで毎年放送される年越し番組”Dick Clark’s New Year’s Rockin’ Eve with Ryan Seacrest 2024”にグリーン・デイが出演し、パフォーマンスを行った。映像はこちら。
その中で、”アメリカン・イディオット”の歌詞を変えてMAGAを批判。上の映像のちょうど1分くらいのところだ。
ビリー・ジョー・アームストロングが、もともと「俺はレッドネック(アメリカの白人保守派労働者階級)の問題とは関わりたくない」と歌うところを、「俺は、MAGAの問題とは関わりたくない」に変えて歌ったのだ。年末年始にそれが大炎上。「MAGA(Make America Great Again)」はご存知の通り、トランプ元大統領の選挙スローガンであり、トランプ支持者も指す。なので、MAGAが大反発したのだ。
2004年に発売された『アメリカン・イディオット』は、そもそもブッシュ政権を批判してできた作品だし、グリーン・デイは以前も、2016年”アメリカン・ミュージック・アワーズ”に出演した際に、”BANG BANG”のパフォーマンスで、「NO トランプ! NO KKK! NOファシストUSA!」と歌い、トランプ批判をして大きな話題にもなっていた。
https://rockinon.com/blog/nakamura/151864
なので個人的にはここで「MAGA」に歌詞を変えることは、それほど驚きとは思えないけど、MAGAにとっては許せなかったのだろう。それでイーロン・マスクもグリーン・デイを批判するようなポストをした。
「グリーン・デイはもともとレイジイング・アゲインスト・ザ・マシーン(権威に反発する側)だったのに、今では軟化して権威のために反発する側になった」と。
それを受けて、この週末にバンドのマイク・ダーントが、マスクに反撃した。ローリング・ストーン誌でこう語っていた。
「実際、マシーン(体制側)なのはマスクの方だよ。それ以外はあり得ないと思う。ネット上で堂々とアホみたいことを言ってる奴だからね」
「それにあの曲は、20年前からあるわけだし、俺たちはグリーン・デイなんだし。何を期待しているんだ?」
正に!
MAGAの過剰反応が異様で、これから繰り広げられる選挙戦が思いやられるのと、民放で放送されたからとは言え、MAGAが猛烈に反発したくなるグリーン・デイの衰えない影響力も改めて知った。
以下は去年の11月に行われたグレイ・カップのハーフタイムショーのライブ映像。
グリーン・デイは、今年スマッシング・パンプキンズ、ランシド、ザ・リンダ・リンダズとスタジアムツアーをすることになっていて楽しみなのだが、
そのツアーは、『ドゥーキー』30周年と、『アメリカン・イディオット』20周年を祝うものでもあるという盛り沢山の内容。
上のライブで演奏している曲がちょうど、新作からの”The American Dream Is Killing Me”と、”Basket Case” (『ドゥーキー』)、”Boulevard of Broken Dream”(『アメリカン・イディオット』)、”Holiday” (『アメリカン・イディオット』)なので、このツアーの短い予告編のようになっている。楽しみだ。
グリーン・デイの記事は、現在発売中の『ロッキング・オン』2月号に掲載中です。ご購入はお近くの書店または以下のリンク先より。
Instagramはじめました!フォロー&いいね、お待ちしております。