カニエ・ウェスト新譜発表+ファッションショーを観て来た!「テイラー(・スウィフト)を有名にしてやった」という問題歌詞あり

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カニエ・ウェストが、待望の新作『The Life of Pablo』発表と、アディダスのYeezy3ラインのNYコレクション発表を、同時になんとマジソン・スクエア・ガーデンで行った。

これは、世界中の映画館でも上映され、ストリーミングサイトTidalでも独占で生中継された。色々な意味で、カニエの才能を象徴する普通ではない、破格のイベントだった。カニエはここで、「ゴスペルアルバムだが、人を大量にののしる」と自らが語る新作を披露した。

彼がパフォーマンスするわけでもない、リスニングセッションと、ファッションショー、を同時にやれるっていう人が他にそもそもいないし、ファッションショーをMSG(キャパ2万人)でやれる人も、リスニングセッションがMSGでやれる人も他に知らない。チケットは50~135ドルなのに売り切れ。ダフ屋でも売られていたほど。これまでにないイベントを行い、ものすごい興奮をこの会場にもたらした、それだけでもスゴい。

まず、驚いたのが、カニエのファンが、Tシャツなどを買うことに夢中だということ。なので、ファッションショーを同時にやるというのは意味が成立する。彼のファンは、ファッションアイテムを買うことも含めてのファンなのだということ。4時という中途半端な時間にも拘らずソールドアウトのファンが詰めかけ、中にはまだ中学生くらいのファンもたくさんいた。カニエが特別に作ったマーチャン売り場には、なんと1時間くらい待ちという長蛇の列が。安いTシャツでも40ドル。しかし一番高いパーカーや、長袖Tシャツのほうから売り切れていく。チケットの値段を考えると、みんな少なくとも200ドルくらいは使ったと思う。カニエの破格の人気とアメリカの音楽ファンの新文化を目撃した思いだった。

カニエは、DJで、「これから新作をかける。みんな踊りたくなったら踊ってくれ」と言って、新作が会場に流れた。アルバム冒頭を飾るのは、子供の声で「ハレルヤ!」と歌われる曲“Ultra Light Beam"。これが、思いきりパンチのあるソウル、ゴスペルという曲なので、カニエが言うように全体の印象も、ゴスペルという感じ。「Pray for Paris/Pray for Parents」とラップされ、1曲目の終わり頃に、アリーナのフロアに設置された巨大な幕がはがされ、中からYeezy 3 ラインを着たモデルが1200人登場!イタリア人のアーティストVanessa Beefcroftによる作品という設定。アルバムをかけている間中、ほとんど動かないで、退屈そうな、不服そうな顔をしている。途中で、ナオミ・キャンベルもモデルとして登場する場面があった。

カニエ自身会場でも、「このアルバムは俺にとってはゴスペルアルバムなんだ」と語った。「アーティストであることは大変で、誤解も招くし、企業にプレッシャーをかけられたりもする。このアルバムを作るのは大変だった」「だけど、俺は人に文句を言われることなく、自分の夢を追いかけることができたから、今すごく幸せだ」と語っていた。

アルバムにフィーチャー/サンプルされているアーティストも豪華で、サプライズはフランク・オーシャン! さらに以前から分かっていたケンドリック・ラマー、チャンス・ザ・ラッパー、リアーナ!などが参加。全体的に思い切りベースの効いたスロウと言えるテンポの曲が多く、サウンドだけ聴いていると、カニエならではの、美しい瞬間、非常にダークな瞬間が交差する、エモーショナルな作品と言える内容だ。

ただ今話題になっているのは「人を大量にののしる」部分。”Famous”(=有名)というSister Nancyのダンスナンバー“Bam Bam”が使われる曲で、なんと「俺はいまだにテイラーとセックスをしているような感じがしているんだ/だってあの女を有名にしてやったのは俺だから」とラップする。言わずと知れた2009年のMTVビデオアワードでのことを言っているのだ。カニエはその後落ち込んで、1年間姿を隠していたし、2015年のMTVでは仲直りしたという写真を提供していた。それなのに……大人げないように思うが。

前作では歌詞で真っ先に話題となったのは「クロワッサン」だったが、今作では今テイラーが最大の話題になっている。追っかけ記事がピッチフォークにあった。テイラーのスポークスパーソンが、コメントを発表している。
http://pitchfork.com/news/63491-taylor-swift-is-not-ok-with-kanye-wests-famous-lyrics/

https://www.instagram.com/p/BBrLwNwMg7v/

「カニエは、我々には許可を求めなかった。だけど、テイラーのツイートのアカウントで、“Famous”という曲をリリースすることを聞いた。彼女は、それを断り、強烈な女嫌いのメッセージのある曲はリリースしないようにと警告した。その時点で、テイラーは、その曲に『俺があの女を有名にしてやった』という歌詞があることは知らされていなかった」

アルバムの詳しいレポートはロッキング・オン3/1発売号で改めてさせていただきます。

あ、そうだ。アルバムを全曲かけ終わった後に、カニエはアルバムの中から数曲をもう1度かけ、イベントが終了する前に、なんとこれから発売されるビデオゲームの映像まで上映した。「サンフランシスコにこの企画を持って行った時に、みんなに大笑いされたんだ」と言った。カニエは屈辱の中から何を生み出す天才とも言えると思うんだけど、その企画というのは、お母さんが、天国に行くというもの。スゴい。どういう内容になるのかこれもまた楽しみ。その紹介が終わった後で、物販売り場では、新たに、表にはお母さんのプリントが巨大にされ、背中には妻キム・カーダシアンの父親の写真がプリントされたTシャツが売り出されていた。

とにかく話題満載のイベント+アルバムであったことは間違いない。そこがさすがにカニエだった。NYファッションウィークは今日幕開け。カニエの新作は明日発売!!!トラックリストは、カニエがツイートしていた通り。カニエは、週末”サタデー・ナイト・ライブ”にも出演して新曲パフォーマンスを披露する。

"The Life of Pablo"

Ultra Light Beams
Father Stretch My Hands pt1 pt2
Freestyle 4
Famous
Highlights
Feedback
Fade
FML
Real Friends
Wolves
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