実に堂々たる闘いっぷりだった。無期限活動休止の前の最後のライブ、白兵戦@渋谷AX。不安も感傷も恐れも挟み込む余地などまったくない、ノンストップで女王蜂であることをまっとうした、潔く、素晴らしいステージに何度も涙がこみ上げてきた。ふたりのキーボードとギターがサポートで参加した演奏も凄まじい迫力だったし、全員真っ白の服に身を包んだフロアも、サイリウムや羽根扇を振りかざしそれに応えた。
中でも白眉は、本編最後に、ライブで初めて演奏された“鉄壁”。こんなにも崇高で、力強い、祈りの歌は聴いたことがない。
≪あたしが愛した全てのものに どうか不幸が訪れませんように≫
≪目を閉じ小さく呟いてみるの 「何一つ臆することなどはないと」≫
この曲を聴いた時に、生と死を自らの手に取り戻すための闘いだと感じたが、今日のライブはまさにこの歌そのもののようだったのだ。
やめないために休む、その意志ががまっすぐ伝えわってきたし、こんな生粋の表現者たちがやめられるはずがないだろう。

アンコールの最後に演奏された“刺の海”。鳴りやまない拍手に、幕が少しだけ開いた。カーテンコールにメンバーが出てくるのかと思いきや、白いマネキンがぽつんと立っていた。なんとも女王蜂らしい終演だった。

明日は詳細なライブレポートが掲載されます。ぜひ読んでください。もちろん３月発売JAPANにも！
(井上)