神聖かまってちゃんの「2025年TOUR」ファイナル公演は闇と光のバランスが儚くて健気で美しくて、唯一無二の空間だった

神聖かまってちゃんの「2025年TOUR」ファイナル公演は闇と光のバランスが儚くて健気で美しくて、唯一無二の空間だった
Zepp Diver Cityで行われた神聖かまってちゃんの「2025年TOUR」ファイナル公演を観た。メンバー4人と1500人以上の観客の魂がひとつの塊となって、会場を破壊しそうなほど大きなエネルギーを大放出しまくりの2時間だった。

の子の1対1で訴えかけてくるような力強くて変幻自在な歌声、ひまわりの被り物を被ったりと自由にステージを盛り上げるmono、身体全身に響き渡るパワフルなみさこのドラム、すっかりかまってちゃんのベーシストとして安定感抜群の奏法を披露するユウノスケと演奏のクオリティは言うまでもないが、暗闇の中の一筋の光のように響く美しいメロディーが織り混ざった楽曲たちは、緻密な計算が施され繊細かつ丁寧に演奏されており、触れると一瞬で消えてしまいそうなほど儚かった。
構成は最新作『団地テーゼ』に収録されている楽曲を中心に披露しつつも、ライブ定番曲も組み込まれており、ただただ圧巻だった。

Wアンコールで披露され、ファーストテイクでも話題となったアンセム”ロックンロールは鳴り止まないっ”では、観客が叫びまくり腕を振りまくり歌いまくりの大熱狂でこの日いちばんの盛り上がりを見せた。最後の最後まで舞台に残り「ありがとう」と観客を見渡し感謝を伝えるの子の姿が今でも目に焼き付いている。
(舞台からなかなか戻ってこないの子を、ユウノスケとアンコールでゲスト出演したGOMESSが連れて帰るところも含めとても微笑ましかった)

今日もかまってちゃんの最高にかっこいいロックを全身で浴びた観客達が、明日を生きるための小さな希望を見つけたような顔つきで会場をあとにした。神聖かまってちゃんのライブが、存在が、今日もたくさんの人を救っていた。(伊五澤紗花)

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