ポール・マッカートニーやミック・ジョーンズらのザ・ジャスティス・コレクティヴがクリスマス・チャート1位に

ポール・マッカートニーやミック・ジョーンズらのザ・ジャスティス・コレクティヴがクリスマス・チャート1位に

クリスマス週となる今週のイギリスのシングル・チャートでは、ヒルズボロ・スタジアム圧死事件解明のためのチャリティとしてリリースされたザ・ジャスティス・コレクティヴによるザ・ホリーズの"兄弟の誓い"のカヴァーが1位に輝き、人気オーディション番組『X・ファクター』の今年の優勝者ジェイムス・アーサーを2位に押さえた。

イギリスのクリスマス・シーズンには例年『X・ファクター』を勝ち抜いた優勝者がシングルをリリースし、チャートの1位に輝くことが多いが、ジェイムスのデビュー・シングル"Impossible"は、先週1位を獲得したもののクリスマス週となる今週はザ・ジャスティス・コレクティヴに座を譲ることになった。

ヒルズボロ・スタジアム圧死事件は1989年にリヴァプールで開催されたサッカーの試合中、ヒルズボロ・スタジアムで起きた将棋倒しによる大惨事で96名のサッカー・ファンが命を落とすことになった。これまで警察と事件を報道した『ザ・サン』紙は一部のフーリガンやファンの煽動によって将棋倒しが起きたと主張していたが、実際には警察の現地での場内整理の不備が原因だったと最近の再調査によって発覚し、警察が当時の証言などを改竄し、『ザ・サン』紙とともに事件の真相の隠蔽を図っていたことが露見している。

ジャスティス・コレクティヴは事件の真相と責任の所在の解明を求めるヒルズボロ・ジャスティス・キャンペーンを支援するためのアーティストの集まりで、ポール・マッカートニーのほか、ザ・クラッシュのミック・ジョーンズ、ビーディ・アイのクリス・シャーロック、ロビー・ウィリアムズ、ザ・キャストのジョン・パワーズ、『X・ファクター』出身の歌手のレベッカ・ファーガソン、パロマ・フェイス、スパイス・ガールズのメラニー・C、ポーグスのシェイン・マガウアン、ザ・ファームのピーター・フートン、ジェリー・アンド・ザ・ペースメイカーズのジェリー・マースデンらが参加している。今回のシングルとなった"兄弟の誓い"のカヴァーはジェイムス・アーサーに4万5千枚の差をつけて、26万9千枚のセールスで1位に輝いたとイギリスのチャートを編纂するオフィシャル・チャーツ・カンパニーが発表している。

なお、今回のカヴァーでポールはミック・ジョーンズやクリス・シャーロックらとともに演奏面で参加していて、リード・ギターを担当している。

ほかにはウィル・アイ・アムとブリトニー・スピアーズの"Scream & Shout"が3位、リアーナの"ステイ"は4位、ブルーノ・マーズの"ロックド・アウト・オブ・ヘヴン"が5位となっている。

また、クリスマス向けのノヴェルティ・ソングが多くリリースされる季節でもあるが、今年はロンドンのトレーダーで、モハメド・シャヒード・ナジールことワン・パウンド・フィッシュ・マンのデビュー・シングル"One Pound Fish"が29位にチャートインしている。

アルバム・チャートでは、先週のBBCの年間スポーツ・パーソナリティ大賞授賞式でパフォーマンスを行なったエミリー・サンデーのファーストが1位に返り咲いて、クリスマス・チャートを制することになった。2位はオリー・マーズの『Right Place Right Time』、3位はマイケル・ブーブレの『クリスマス』、先週1位だったブルーノ・マーズの『アンオーソドックス・ジュークボックス』は4位、5位は『ニール・ダイアモンドのすべて』だった。

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