今年のコーチェラ・フェスティヴァルに出演したドクター・ドレー+スヌープ・ドッグのステージで行われた故トゥパック・シャクールのホログラム客演をきっかけににわかにホログラム・パフォーマンスが注目されているが、ジム・モリソンやジミ・ヘンドリックスの遺産を管理しているマネジメントがそれぞれに将来的にジムやジミのホログラム・パフォーマンスを探っていきたいと語っている。
ジム・モリソンのみならずザ・ドアーズや、オーティス・レディング、ジャニス・ジョプリン、ピーター・トッシュ、リック・ジェイムスらの遺産を管理しているジェフ・ジャンポールは自分の展望を次のようにビルボード誌に語っている。
「3Dキャラクターが自由自在に歩き回るところまで持って行きたいんだよね。うまくいけば、ジム・モリソンが自分のところに歩み寄ってきてじっとこっちの目を見入って、ぷいと振り返って行ってしまうとかね、そんなところまでやれるようにしたいんだ」
また、ジャンポールの構想では3Dホログラムのイメージだけを想定しているのではなく、巨大ヴィジョン、レーザー光線、照明装置、高音質サウンド、体感装置などをすべて総合演出していくステージを構想しているのだという。
その一方でジミ・ヘンドリックスの音源や映像などをすべて管理しているヘンドリックス・エクスペリエンス代表でジミの妹のジェイニー・ヘンドリックスもロンドンにある制作会社ミュージョン・システムズとヴァーチャル・ジミの開発を進めているとか。「ただ、わたしたちとしてはもちろん、いつもジミを正統にかつ正確に伝えることを目的としていますから、今のところ絶対ということは言えないですね」とのことだ。
また、コーチェラでトゥパックのホログラム・イメージを制作したデジタル・ドメイン・メディア・グループはコア・メディア社と組んでエルヴィス・プレスリーのホログラムを開発すると先週発表している。しかも、このエルヴィスのプロジェクトは現存する映像を3Dホログラムに移し替えるものではなくて、まったく新しいパフォーマンスとして開発しているそうで、誰も観たことのない独占パフォーマンスになるのでどんなファンにとってもまったく新しい体験になるとか。
さらにはマリリン・モンローのホログラムもやはりというべきか、今年の没後50周年を目指して開発されているそうだが、制作を進めているデジコン・メディアはマリリンの遺産管財団体とは組んでいないとのことで、デジコン・メディアですでに著作権を取得しているある特定のイメージを使ったものになるそう。ただ、マリリンの遺産管財側はデジコンに対して訴訟をちらつかせているという。