ドクター・ドレーは1992年のファースト・ソロにしてヒップホップ至上最高傑作の1枚ともいわれる『The Chronic』の印税をめぐってレーベルのデス・ロウに対して訴訟を起こしていたが、公判が開かれるその前日にドレーとデス・ロウの間での示談が成立し、ドレーの弁護団はロスアンジェルス連邦裁判所にて和解調書を作成したという。
もし公判が行われていた場合、ドレーも出廷を予定していて、ドレーは『ザ・クロニック』の音源のオンライン販売については自身がその全収益を受ける権利があると争うことになっていた。現時点のレーベルのデス・ロウはいったん倒産した後の会社で、正確にはワイドアウェイク・デス・ロウというレコード会社になるが、そもそもドレーがもとのデス・ロウと交わした契約はデジタル配信以前のもので、デジタル配信から生じる収益は契約に含まれておらず販売権も含めてすべてドレーに帰属しているはずというのがドレー側の争点だった。
最終的にどのような示談で両者が落ち着いたのかは明らかにされていないが、今回の取り決めによりデス・ロウからの『ザ・クロニック』の音源のデジタル配信はすべて無効となったため、『ザ・クロニック』のiTunesでの販売などもすべて中止されている。
なお、待望のサード・アルバム『Detox』についてドレーは最終的な仕上げにかかっていて、今年の後半にかけてリリースするものとみられている。これまでのところ、アルバムからは“Kush”“I Need a Doctor”の2トラックがリリースされている。
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