ボス、解体予定のスタジアムに幕

ブルース・スプリングスティーン&ザ・Eストリート・バンドが10月9日、ニュージャージーのジャイアンツ・スタジアムでコンサートを行い、30年以上にわたって著名なアーティストたちの公演が開催されてきた伝説的な会場に幕を下ろした。

この夜は、2週間にわたって5度行われる全曲演奏ライブの最後の公演(4回目のライブは当サイトのブログ「中村明美のニューヨーク通信」でレポートしています。是非ご覧ください)。会場には祝祭的なムードが立ち込めた。

1976年に竣工したジャイアンツ・スタジアムは、隣接する新スタジアムの完成により来年取り壊されることになっている。スプリングスティーン自身も1985年以来この場所で50回を越える公演を行っており、今回の連続公演では毎回この機会のために特別に作られた新曲“レッキング・ボール”でオープニングを飾った。また、この夜はスタジアムを「妥当な値段でスポーツ観戦できる最後のとりで」と呼んで称えた。

これまで1975年の『明日なき暴走』、1978年の『闇に吠える街』などを全曲演奏してきた今回の連続公演。この日のアルバムは、スプリングスティーン最大のヒット作となった1984年の『ボーン・イン・ザ・USA』。次々と曲が繰り広げられていく中、スプリングスティーンは“ダンシン・イン・ザ・ダーク”で若き日のコートニー・コックスとともに出演した当時のプロモーション・ビデオを彷彿とさせるダンスを踊ったが、途中で「はげ親父はダンスが上手い」というプラカードを掲げると、客席から中年男性をステージに上げて一緒に踊ってみせた。

ここ数年のEストリート・バンドとのライブの例に漏れず、ボスは観衆のリクエストに応え、ザ・ローリング・ストーンズの“ザ・ラスト・タイム”のカバーも披露した。3時間をゆうに超える本編の最後は“アメリカン・ランド”。スタジアムの周囲で花火が盛大に上がる中、ライブではしばしば披露されるトム・ウェイツのカバー曲“ジャージー・ガール”を歌い、地元ニュージャージーのスタジアムに最後の別れを告げた。

セットリスト
1. Wrecking Ball
2. Badlands
3. Spirit In The Night
4. Outlaw Pete
5. Hungry Heart
6. Working On A Dream
7. Born In The USA
8. Cover Me
9. Darlington County
10. Working On The Highway
11. Downbound Train
12. I'm On Fire
13. No Surrender
14. Bobby Jean
15. I'm Goin' Down
16. Glory Days
17. Dancing In The Dark
18. My Hometown
19. Tougher Than The Rest
20. The Promised Land
21. Last To Die
22. Long Walk Home
23. The Rising
24. Born To Run
25. Raise Your Hand
26. The Last Time
27. Waiting On A Sunny Day
28. Seven Nights To Rock
29. Kitty's Back
30. American Land
31. Jersey Girl

(c) NME.COM / IPC Media 2008/2009
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