「自分と他者を区別するのが普通かもしれないけど、他者も自分の一部分だし、自分が憎んでいると相手も憎むし。そこは、コロナ禍で変えていかなきゃ。もっとみんな愛し合っていいような気がします」
時代も、国境も、そして分断の傷口を露わにしながら多様化する価値観も超えて、今の時代を生きる多くの人の心を潤すポップ・ミュージックの傑作が誕生した。デジタル・アルバムとして2月24日にリリースされたシンガーソングライター、lukiの5曲入りの新作『ユナイタマ』である。シンプルだけど揺るぎない音と、無防備だけど表現力豊かな歌で紡がれた5つの楽曲が、それぞれに鮮烈な印象を残しながらひとつの大きな物語を描いていく。たとえばリード曲“アイスグリーン”は《口をつぐむ割り切れない素数/藻になって波間にたゆたう》と歌い出された時は抽象的だったイメージが、徐々に答えのない世界の混乱と、愛というただひとつの答えに集約される感情を、同時に奏で始める。音楽によって、ひとつでも多くのプラスの何かを、聴き手の心の深いところに届けたい、そんなピュアな祈りを結晶化したようなアルバムだ。その神秘的な才能の素顔に迫った。(古河普)
lukiのインタビューは、現在発売中の『ロッキング・オン』4月号に掲載中です。ご購入はお近くの書店または以下のリンク先より。