大手レーベル「Republic Records」が、音楽ジャンルにおいて「アーバン」という用語を今後は使用しないと発表した。
「sky」によると、「アーバン」はヒップホップやグライム、R&B、ソウル、ラップなどの音楽を表す包括的な用語として頻繁に使用され、これまで黒人アーティストが作る音楽のジャンルとして見なされることが多かった。
Republic Recordsは公式Instagramにて、今後は「アーバン」という用語を使用しないとの声明を発表。また、音楽業界に向け、業界が望む未来を築くために同様の行動を取ってほしいと奨励している。
Republic Recordsはドレイクやザ・ウィークエンド、リル・ウェイン、キッド・カディ、ニッキー・ミナージュ、アリアナ・グランデといった有色系のアーティストが数多く所属するレーベルとして知られているため、同レーベルが今回の判断に踏み切った意義は大きいと言われている。
「COMPLEX」によると、今年のグラミー賞授賞式でタイラー・ザ・クリエイターが、黒人アーティストがジャンルを超える音楽を制作したとしても、常に「ラップ」や「アーバン」といったカテゴリーにくくられてしまうことに不満を示していた。
そんななか、「GQ」誌のインタビューでビリー・アイリッシュも、人種を基にアーティストの音楽がジャンル分けされることに異を唱え、次のようなコメントを発していたという。
アーティストの容姿やファッションで判断しないでほしい。グラミー賞で、リゾはR&Bの最優秀カテゴリーに入ってたよね? 彼女は私よりもポップ・ミュージックを作ってると思う。それに、もし私が白人じゃなかったら、きっと“ラップ”に入れられてただろうね。なぜかって? 業界は自分が知っていることとアーティストの容姿で判断するからだよ。それって変だと思う。世界がアーティストを箱に入れたがるなんて。私は自分の全キャリアでそれを経験した。単に私が白人のティーンエイジャーの女子だから、私はポップにカテゴライズされる。私のどこがポップ? 私の音楽のどこがポップに聴こえるわけ?