発表から1カ月半、未だファンや各界に衝撃が続いているワン・ダイレクションのゼイン・マリクの脱退劇。宮嵜ブログが報じたように、そんなゼインの脱退についてコメントを出しているのがノエルとリアムのギャラガー兄弟だ。
◆ノエル・ギャラガー、1Dを脱退したゼイン・マリクに一言(2015/5/6)
http://ro69.jp/blog/miyazaki/123524
◆リアム・ギャラガー、1Dゼイン・マリクを腐したノエルに「ほっといてやれ」(2015/5/9)
http://ro69.jp/blog/miyazaki/123669
ノエルの場合は米ローリング・ストーンの取材でゼイン脱退についてコメントを求められ、「君は普通の22歳になりたかったそうだが、普通の25歳になりたいとは思わないだろう」とチクリ、そしてリアムがそんな兄に対して「ほっておいてやれよ」と噛み付いた、という流れ。
この、「ボーイ・バンドの脱退劇になんかもの申すギャラガー兄弟」、「ボーイ・バンドの脱退劇になぜかコメントを求められるギャラガー兄弟」の図を見ていると、思い出さずにはいられないエピソードがある。それが今からちょうど20年前の、テイク・ザットのロビー・ウィリアムズの脱退劇だ。
テイク・ザットが絶頂の人気を誇っていた1995年、ロビーの脱退はゼインの脱退同様の大ニュースだったと言っていいが、そんな彼の脱退に大きな影響を与えたと言われていたのがオアシスだった。
「本当はオアシスのようなロックをやりたい」んだとボーイ・バンドでの活動にフラストレーションを募らせていたロビーは、脱退前夜からギャラガー兄弟と急速に仲良くなり、ノエルやリアムに音楽やキャリアの助言をもらっていたと言われている。
今の1Dに勝るとも劣らない人気だったテイク・ザット。ロビーがメイン・ヴォーカルを取ったこの曲、むちゃくちゃ流行りました。
Take That "Everything Changes"
そんなテイク・ザットを脱退したロビー、ソロ・ライヴでオアシスの“Wonderwall”を歌うの図
Robbie Williams "Wonderwall | Live in Dublin 1999"
ワン・ダイレクションとテイク・ザットという、「ビートルズ以降最大のアイドル」と称された新旧ふたつのボーイ・バンドの岐路に、なぜかたびたび浮上するギャラガー兄弟。それはボーイ・バンドもオアシスも、共にイギリスで「国民的」の看板を背負っている存在だからこその、対岸からのエールみたいなものなのかも。
なお、今回は脱退したゼインではなく、残った4人の1Dサイドが「次はオアシスっぽい音にしたい」と言っているという逆パターン。
◆One Direcitonの次作は、「オアシスっぽい音」とリアム!(2015/4/29)
http://ro69.jp/blog/hatori/123028
◆ノエル、「1Dの”オアシス風”アルバムを聴くのが超楽しみ。最高の可能性もなきにしもあらず」と語る(2015/5/5)
http://ro69.jp/blog/nakamura/123483
ちなみにロビー・ウィリアムズとギャラガー兄弟のその後については、ご存知の方も多いだろう。ロビーはオアシスのグラストンベリーのステージ(1995)に泥酔して乱入し、その時点でノエルはガン切れ、「ファッキン・ロックなヤツでおもしろいじゃねーか」と当初はかばっていたリアムもその後兄貴以上にブチ切れて、以来ロビーとギャラガー兄弟は犬猿の仲に。
ただし、ノエルはオアシス脱退後の2012年、自身のソロ・キャリアと照らし合わせて「大物バンドから脱退してここまで成功したのは俺とロビー・ウィリアムズくらい」とも発言、認めるところは認めている兄貴なのだった。
◆ノエル・ギャラガー、大物バンドから脱退してここまで成功したのは自分とテイク・ザットのロビー・ウィリアムズくらいのものだと語る(2012.10.24)
http://ro69.jp/news/detail/74277
(粉川しの)