「New Comer」では、今注目すべき新進気鋭のアーティストを紹介します!誰しもが一聴してその歌声に引き込まれてしまうだろう。そしてその歌は息苦しい過去も不透明な未来も、すべてをやさしく包み込むように響く。そのバンドの名は至福ぽんちょ。名は体を表すとはよく言うが、はじめに不思議なバンド名に心をくすぐられ、その音楽に触れれば、これ以上のバンド名はないと思えてくる。そもそもポンチョは雨風を凌いだり、冷えた体を温めたりしてハードでタフな環境から身を包んでくれるものである。それを身にまとったときの「もう大丈夫」という安心感。安堵感。至福ぽんちょの音楽はまさにそれを感じさせてくれるものだ。名古屋発の至福ぽんちょは、里音(Vo・B)、たいち(G・Cho・Composer)、なお(Dr)の3ピースバンド。3人は高校時代の軽音部で出会い、当時はそれぞれ別のバンドで活動していたという。そして部活引退後にバンド結成。2024年4月からライブ活動をスタートさせると、ほどなくその楽曲の良さがSNS等で知れ渡り、ライブ動員も急上昇。そんな至福ぽんちょがメジャーデビューを果たすのは必然であろう。10月7日、メジャーデビューEP『またあした』がリリースされた。表題曲はTVアニメ『超巡!超条先輩』のエンディングテーマとして書き下ろしたもの。まさに「またあした」と言い合える場所がある幸福感を、里音の澄んだ歌声がまっすぐに届けてくれる。至福ぽんちょの真骨頂と言うべきその歌は、さらに多くの人の耳を癒やし、心を温めていくはずだ。
本作はこの“またあした”に加え、インディーズ時代の代表曲が4曲収録されている。“またあした”とはまた違う深い歌声を響かせる“銀河橋”は、切なくも永遠の愛を信じたくなるラブソング。ギターのキャッチーなフレージングがバンドサウンドを牽引する“アンチ・ハレーション”では、《今は泣きたければ泣けばいい》と歌いながら、その伸びやかな歌声は未来に希望の灯をともすように響いてくる。続く“春曙”はミニマルなビートに乗る切実な歌声に思わず自身の孤独を重ねる人も多いだろう。《疲れたんだ》。そんな言葉を口にしたっていい──里音の歌声は聴く者にそう呼びかけているみたいに熱い。そしてラスト“日々”では《頑張ったね/もう疲れたよね》と、さらに現代を生きるすべての人の「日々」に寄り添う。しかしそれは決して諦念の歌でも失望の歌でもない。至福ぽんちょが歌う《頑張ったね》は、あなたの人生を、これからも続くその歩みを肯定するためにある。すべては誰もが幸せになるために。まずはその歌声に、そのグッドメロディに触れてみてほしい。音楽が希望であることを実感するはずだ。(杉浦美恵)
このレビューは、10月30日発売の『ROCKIN'ON JAPAN』12月号にも掲載!
●リリース情報
メジャー1st EP『またあした』
2026年10月7日リリース01. またあした
02. 銀河橋
03. アンチ・ハレーション
04. 春曙
05. 日々
●ライブ情報
「それでも私は、歌うことにした。」
2027年3月6日(土) 渋谷 CLUB QUATTRO
提供:SPEEDSTAR RECORDS
企画制作:ROCKIN'ON JAPAN編集部
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