「恋愛を歌うバンド」って数多くいるけど、この3バンドでイベントをすることでひとつのシーンを作れて、相乗効果が生まれてる(平部)
──この3バンドの組み合わせは他にどんなものを生んでると思います?平部 それぞれのバンドだけが好きなリスナーもたくさんいるんですけど、このイベントに来て「他のバンドも好きになった」っていう声もすごくあって。元々近かったリスナー層が大きな1個になってきてる印象がありますね。
兼丸 学生時代から、「ONAKAMA」(04 Limited Sazabys×THE ORAL CIGARETTES×BLUE ENCOUNT)や「TRIPLE AXE」(SiM×coldrain×HEY-SMITH)みたいな名前を打ち出してライブをされてる方たちを見てきて。「フェスとはまた違うものを作れたらな」「そういう立ち位置になれたらな」とは思ってました。たまたま行った古着屋さんで「『シラガ』行ってました」って言ってもらったりもしたんですけど、イベント名を覚えてくれて「また行きますね」って言われるのはすごく嬉しいです。イベント名にそれぞれのバンドの名前もうまいこと重ねられたから、誰が出てるイベントなのかもわかると思うし。
平部 「恋愛を歌うバンド」って数多くいるけど、この3バンドでイベントをすることでひとつのジャンル化というかシーンを作れて、相乗効果が生まれてるなと思ってて。誰にも負けなくなるように、規模を大きくしていけたらなと思いますね。
兼丸 挑戦的なセトリでライブができるのも面白くて。ある程度曲を知って来てくれる人も多いから。
平部 曲を知らなくてもライブがよかったら、「あとで聴こう」ってなるしな。
兼丸 あと、ワンマンツアーだと尺も長いから打ち上げで飲まなかったりもするんですけど、3マンだとちょっと気が楽で。名古屋と大阪の間に飲んだ感じもよかった。飲んだのに次の日すっごい調子よくて。
菊池 気にしすぎなんじゃない? 本来はそういうものなんだよ、ロックバンドなんだから。どんな生活しようが、ライブがかっこよかったらなんでもいいんだよ。
兼丸 それ言ってるよね。
菊池 でも、福岡の打ち上げのときは一丸になれてなかったよね。俺だけハブられた感じしたもん。
平部 ハブられにいってたやん(笑)。福岡の打ち上げは全員次の日に何もない日で。陽報だけできあがってくスピードが尋常じゃなく速かった。乾杯してまだ1〜2杯しか飲んでないのに「おい、この中でいちばん面白いやつ誰だよ!」「俺だー!」ってダイブしたりとか、アクセル踏み続けて最後は消えました(笑)。
菊池 ライブが連続してると飲めないじゃん。ずっと我慢してたから、飲める日が来ちゃうと行きすぎちゃうんですよね。そしたら意外とみんなついてこなかった(笑)。
平部 アキのペースについていけるのって、各々のバンドのメンバーを見ても、僕らふたりよね。
菊池 そうだよ、だからついてきてほしいんだよ。
平部 じゃあ今度1回、3人でアキ列車乗ろう!
兼丸 今回千秋楽は東京か。みんな帰れるね。
平部 逆に帰られへんで、東京は。
兼丸 ……ベーさん家かあ。
平部 おい、うち来んなよ? こんな暴走列車来たら追い出される(笑)。
ライブの理想像としては、「最終的に本物であること」が自分にとって大事で、それを引き続き追い求めます(菊池)
──打ち上げへの意気込みは充分伝わってきましたが(笑)、ライブではどんなものを見せて、どんなことを感じてほしいですか。菊池 今回のイベントに限らず、ライブって自分のものだと思うので、自分がどうするかだと思うし、「間違いなく本物であること」を大事にするだけですね。もちろん、イベント一つひとつに対して、「こういうイベントだから」って考えながらセトリを組むことはありますけど、「一編のショー」であるライブの理想像としては、「最終的に本物であること」が自分にとって大事で、それを引き続き追い求めます。
兼丸 この1年、個人としてはライブをすることにおいても生きていくことにおいても、「社会に向いてないな」と思う苦しい時期が長かったんですけど、その負のパワーすら糧にして今はやっていて。性質としてウダウダは言ってしまうから、たぶんこれを読んでる人も「こいつウダウダしてるな」ってなると思うんですけど(笑)、前回より芯が固くなった「強いthe shes gone」をお届けできるタームになりました。この兄ちゃんたちの中で自由にさせてもらいつつも成長して、なりたい自分になれているところを一生懸命出すので、それがお客さんのパワーにもなったらいいなと思ってます。
平部 自分で言うのもなんなんですけど、この1年でライブに自信を持てるようになって。自分たちのライブのやり方/スタイルを確立できた1年だったので、それをこの2バンドにもしっかり観てほしいし、来てくれる方にもしっかり伝えられたらなって。「勝とうとは思わないけど負けるつもりもない」みたいな奥底からふつふつと湧いてくるバチバチ感で、3バンドとも自分のバンドに自信を持ってやっていると思うので、横並びでやりつつも絶対に一歩出ていってやろうっていう──。
兼丸 へえ……!
平部 え、思ってない!?
兼丸 俺、闘争心とかないから……。
菊池 俺は「負けたことねえ」って思ってるよ。
平部 俺も負けたこと1回もないと思ってやってるよ。3バンドともいいライバルだし、この1年しっかり積み上げてきたと思うので、必然的にクオリティが上がった1日になるんじゃないかと思っております!
菊池 締まったね。最高だよ、最後は絶対ベーさんがゴールしてくれるもん。
兼丸 こういうとき、誰がトリでもベーさんが持ってくもんね。もう最後さ、MCもやって? 「ありがとうございましたー!」って。
菊池 なんで任せんだよ(笑)。でも俺、べーさんのフロントマンとしてのすごいとこってそこだと思う。「シラガ」の中でもべーさんしかできないことで、ベーさんはそれを究めてきてるわけだから、兼丸は兼丸の中にあるもので勝負したらいいじゃん。たとえばベーさんがステージに出て「キャー」ってなっても、マルがそれ以上に圧倒的な歌を歌ってたら「圧倒的な歌を歌ってた人」ってなるわけで。
兼丸 大丈夫。俺、ライブが始まったら、プロレス好きの心が生まれるから。
菊池 そうか(笑)。俺はダイブしてPA卓まで運んでもらうことが今の目標。
兼丸 自由でいいね(笑)。