アークティック・モンキーズの盟友としても知られるシェフィールドのバンド、レヴァランド・アンド・ザ・メイカーズ。一時期は活動停止もアナウンスされていたが、こうして３作目のアルバムが届けられると共にノエル・ギャラガーやレッチリといった大物のＵＫツアーをサポートするなど、今年は勢いに乗っている。本作は、これまでで最も強くダンス・フロアの恍惚と刹那を抱え込んだアルバム。セカンドではヴァラエティ豊かで繊細なソングライティングも披露していただけに、ここまでアップリフティングなダンス性に振り切れるとは驚きだ。

ベース・ミュージックの最盛期にしっかり目配せしてみせるオープニング"ベースライン"から、アシッド・ハウス～マッドチェスターの狂騒をフラッシュバックさせる楽曲群が次々に繰り出される。ともすればノリだけの時代錯誤サウンドに陥りかねないところだが、週末のパーティ・マスターとして胆の据わった活動を続けているジョン・マックルーアの男気溢れるヴォーカルと、力強いのに湿り気を残すＵＫダンス・ロックの正しいマナーが説得力を添える。芯の強いポップさだ。（小池宏和）