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最近のオーラルの、膨張と収縮が同時に行われていくような動きはとても面白い。彼らはコラボレーションやコライトを通じて自分たちの音楽領域を拡張すると同時に、「今、ロックバンドをやるというのはこういうことなんだ」と、自分たちの本質を示すことを同時に成し遂げていく。“BUG”“Enchant”と直近のシングルでは独自のヘヴィネスを追求してきたが、それらはモダンなアイデアと音像を持ち、同時に、バンドの本能的な衝動性が宿る楽曲たちだった。そして、新曲“YELLOW”。ドラマ『マイホームヒーロー』の主題歌に起用された一曲だが……強い。強い曲だ。ドラマタイアップというタイミング。そこにかかる期待にも、山中拓也（Vo・G）の歌声を活かし、そのメロディアスさを際立たせることによって十二分に応えながら、近年のオーラルが磨き上げてきた「重み」も見事に響いている。自由とバランス感覚を突き詰めるがゆえに生み出し得た、貫禄の一曲。今のオーラルは、かなりの無敵状態であると感じる。（天野史彬）（『ROCKIN'ON JAPAN』2023年12月号より抜粋）
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