ムスタファ『ホウェン・スモーク・ライゼズ』

ムスタファ『ホウェン・スモーク・ライゼズ』
ムスタファ ホウェン・スモーク・ライゼズ

長年詩人かつ社会活動家として、地元トロントの移民や貧困層の想いを代弁し、ソングライターとして名を馳せたスーダン系カナダ人、ムスタファが、いよいよアルバムを完成させた。同郷の売れっ子フランク・デュークスを中心に、サンファジェイムス・ブレイクら英国勢がサポートする鉄板のプロダクションは、徹底してミニマル。声の揺らぎに寄り添うテクスチャーやサンプルをあしらった、ほぼドラムレスなアコギ/ピアノの弾き語りで、言葉を届けることに終始する。それは暴力の犠牲になった仲間へのトリビュートであり、祈りでもあり、“インナー・シティー・フォーク・ミュージック”という本人が与えた呼称が本作を的確に総括していると言えよう。トロントの町を上空から見守る守護天使のような彼は、伝統に新たな血を持ち込む、レナード・コーエンジョニ・ミッチェルの後継者と位置付けるべき存在だ。(新谷洋子)

ディスク・レビューは現在発売中の『ロッキング・オン』7月号に掲載中です。
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ムスタファ ホウェン・スモーク・ライゼズ - 『rockin'on』2021年7月号『rockin'on』2021年7月号

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