フォークへの独自のアプローチで実験を重ねてデビュー当時の“オルタナ版エド・シーラン”のイメージを払拭し、前作『Noonday Dream』(18年)ではアンビエントな深みに到達したベン。
二度目の全英ナンバー・ワンを獲得済みの4作目で、この英国人シンガー・ソングライター/ギタリストは、ザ・ナショナルのアーロン・デスナーという意外なパートナーを選んだ。
結果は上々、アーロンの周辺のプレイヤーたちや、UKジャズの敏腕ドラマー=ユセフ・デイズの参加を得て、エレクトロニカからジャズへとジャンルを横断しながら、軽やかに躍動するサウンドスケープを構築。また、実体験ベースにこだわらず寓話的ストーリーテリングを掘り下げた歌詞や、アイリッシュ・フォークの影響を強く反映させたメロディも、実にフレッシュな印象を刻み、進化と回帰が絶好のバランスを見出している。(新谷洋子)
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