氣志團といえば、主催する気志團万博や音楽番組などで他のアーティストと共演する機会が多い。 結成20周年記念盤となる『万謡集』は、そんな彼らの社交性、他流試合経験の多さを活かした企画になっており、様々なクリエイターに氣志團をイメージした曲を依頼し、アルバムは作られた。宮藤官九郎がセリフ入りの曲を提供したのは彼らしいけれど、TAKURO(GLAY)の曲がそれ以上に長い長いセリフを綾小路 翔にいわせているのがおもしろい。また、横山剣は、氣志團の地元・千葉県木更津とは東京湾アクアラインでつながっている神奈川県の横浜を思わせる中華街風の舞台設定にしている。さらに、藤井フミヤ・尚之兄弟、真島昌利、鬼龍院翔、TAKUMA(10-FEET)、ヒャダイン、秋元康などタイプの異なる人々が詞と曲を提供している。
リーゼントと学ランのヤンキーであり続ける氣志團というキャラクターを相手にどこまで遊べるか。楽曲提供者たちが競い合っている状況だ。そして、このバンドの主役である綾小路 翔は、遊ばれることによって遊ぶというような策士の余裕を感じさせる。お見事。(遠藤利明)
遊び遊ばれる
氣志團『万謡集』
発売中
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