苗場の轟音、準備編

ライド『OX4 -ザ・ベスト・オブ・ライド』
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ALBUM
ライド OX4 -ザ・ベスト・オブ・ライド
本作はもともと2001年にリリースされたベスト盤だが、アメリカではコーチェラ、日本ではフジロックへの出演に合わせての再発となる。ライドと並ぶシューゲイザーの古典であるマイブラが若い世代にも聴かれているのと比較すると、ライドは恐らく知識としては知っていても実際に未体験という人が多いと思うが、デビュー前の2枚のEPからラスト・アルバムの『タランチュラ』までの全キャリアをシングル中心にコンパクトに纏めた本作はそんな層に向けたまさにライド入門編たる一枚。ただし、彼らの再結成ライヴの予習としては「赤ライド」「黄ライド」、『ノーホエア』、『ゴーイング・ブランク・アゲイン』までの前半のナンバーがキモで、『カーニバル・オブ・ライト』以降の後半曲は、今、再評価されようとしているライドとはちょっと断絶している。個人的にはバーズ的サイケ・ポップをやろうとしたこの時期のアンディの心意気も買いたいですが。いずれにしても彼らの轟音ノイズの無色透明な暴力性、歳月を経てなお色褪せない普遍性とは少し違う、真空パックされて時が止まったような不思議な永遠を、まずは本作で味わって欲しい。(粉川しの)
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