4年半前の活動休止は必然だった。ソロ活動を本格化したトータス松本の中で、4人のバンドでは実現できない音楽的ヴィジョンがどうしても大きくなり、解散ではなく休止であることを誓った上で、ウルフルズの歩みは止まった。そしてトータス松本はソロアルバム3枚を作り、ここに満を持して彼らは帰ってきてくれた。アルバムとしては6年半ぶり、全13曲。どこをどう切ってもウルフルズだなあ、と思わせてくれるパワフルなソウルと笑顔と優しさが迸って、彼らのバンドとしての大きさを改めて噛みしめる。そして『SUN SUN SUN ‘95』や『大阪ストラット』のジャケを今の4人で再現するアーテイスト写真が象徴的だが、彼らが復活したのは、「俺たちがウルフルズを引き受ける」という冷静で客観的な覚悟ができたということでもある。《ブチかますのは 四人の力/みんな知っているのさ/だから待っているのさ》(“ブヤカシャー!”)と、4人が4人であることの物語の強さをド正面から肯定する歌詞が本当に頼もしい。初回盤には国民的ヒット山盛りの10曲入りベストも封入するので、初心者の方もぜひ。(松村耕太朗)